O.S.WEB MAGAZINE Vol.35
2021 July.難しいことは一切なし!GPカーを楽しもう! 第5章:エンジンメンテナンス編(MAX-R21)
GPカーの魅力と基礎知識を紹介していく本連載。今回はエンジンのメンテナンスの仕方について紹介していきたいと思います。今回紹介しますメンテナンス編は主に走行後、長期間保存を行ったりする際のメンテナンス内容になります。それでは早速走り終えたエンジンをメンテナンスしていきましょう。エンジンをオーバーホールしましょう
模型用のグローエンジンは、適格かつ適切なタイミングでオーバーホールをおこなうことで、その性能を長く発揮することができます。しばらく回していなかったエンジンを再び使う際や、長期間保管する場合はメンテナンスを行いましょう。また、使用している際にパワーやサウンドに異変を感じた場合も同様の作業を行いましょう。
①プラグレンチを使用してプラグをゆるめます。
②レンチを使用してアウターヘッドとインナーヘッドを外します。
※インナーヘッドを外す際にヘッドガスケットを無くさないように注意しましょう。
③カバープレートを外します。
※カバープレートを外す際は必ずピストンを上死点付近の位置で取り外しを行うようにしましょう。
④クランクケースからシリンダーライナーを外します。シリンダー等に傷をつけないよう、柔らかい素材の棒などを押し込んで外しましょう。
⑤コンロッドを外しましょう。
コンロッドを外すコツですが、クランクケースを逆さにし、コンロッドの根本を人差し指で掴み外しましょう。
⑥クランクケースからクランクシャフトを外しましょう。
⑦全て分解を終えたら各部品についています油分をペーパーなので綺麗に拭き取りましょう。 その際に、クランクシャフトのポッティングのされている部分には絶対にパーツクリーナーなどは使用しないようにしましょう。
※ポッティングされている部分にパーツクリーナーなどを吹きかけてしまうとポッティングが剥がれ、エンジンの破損に繋がります。
焼き付きを起こすと左側のピストンの様に黒く変色したりします。パワーが出なくなったり、アイドリングが持続しなかったり、上手く吹き上がらないといった症状がでます。
左側のピストンの様になった場合はシリンダーライナー共に交換が必要となります。
⑧クランクケースの前後のベアリングをチェックします。サビ付きや引っ掛かりが無いかを指で触って確かめます。
違和感がある場合は洗浄を行い、治らない場合は交換が必要となります。
⑨ベアリングにメンテナンスオイルを注入します。
⑩クランクシャフトにメンテナンスオイルを塗布しクランクケースにクランクシャフトを入れましょう。
⑪ピストンピンとコンロッドの連結部分にメンテナンスオイルを塗布しエンジンに組み込みましょう。
ピストンとコンロッドが入りましたらクランクシャフトとコンロッドの連結する部分にもメンテナンスオイルを塗布します。
⑫シリンダーライナーをクランクケースの上部から入れます。その際に、位置決めピンの位置を確認してシリンダーを入れましょう。
⑬シリンダーライナー挿入後、上部からもメンテナンスオイルを注入します。
⑭カバープレートを取り付けます。取り付けの際ですがカバープレートの向きに注意しながら取り付けを行いましょう。
※カバープレートを取り付ける際は対角線上で均等にネジを締め付けていきます。
⑮インナーヘッドを取り付け、アウターヘッドを取り付けます。この際、カバープレート同様に対角線上で均等にネジを締め付けていきます。
⑯最後にプラグブースターを使用してプラグが切れていないか確認しましょう。上図のように赤熱していればプラグは使用可能です。
レース前など大事な時には常に新品にすることをオススメします。また、プラグが緩んでこないようにしっかりと締めるようにしましょう。
まとめ
これでエンジンのオーバーホールメンテナンスは完了です。一度でも燃料を流して長期間放置してしまうと、燃料が固着してしまい次回エンジンを始動する際に正常に動作してくれない場合があります。長期間使用しない際などは必ずオーバーホールメンテナンスを行う事を推奨します。慣れれば簡単にメンテナンスを行う事ができますが、個人でおこなうのが難しい方は是非弊社にお問い合わせください。有償になりますが弊社で、修理させて頂きます。