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O.S.WEB MAGAZINE Vol.35

2021 July.

夏場に注意したいエンジンのオーバーヒートとその対策

エンジン飛行機やを楽しんでいるフライヤーの方にとって、夏場のエンジンのオーバーヒートはエンジンの性能に影響するため、注意が必要な要素の一つです。今回はそんな飛行機用グローエンジンのオーバーヒート対策について紹介していきたいと思います。



はじめに
そもそも模型用エンジンにおいて、オーバーヒートはなぜ起こるのでしょうか?主な原因としては下記の4つが挙げられます。
  • 1:ニードルの絞りすぎ
  • 2:ニードル・スプレーバー部へのゴミ詰まり
  • 3:エンジンの熱が逃げ切らない
  • 4:プロペラ後流が当たらない

  • どの項目が原因となってオーバーヒートを引き起こしているのかよく判断し、それぞれの原因に対して適切な対策を施していくことが大切です。それではそれぞれの原因について細かく見ていきましょう。 機体に搭載されたグローエンジン。さまざまな原因でオーバーヒートを引き起こす可能性がありますので、しっかりと対策をおこなうことが重要です。

    原因①:ニードルの絞りすぎ
    地上で最適なニードルを決めたつもりでも、タンク内の燃料が少なくなるのと薄くなることが比例していることを見逃していると起こりやすくなります。これは、満タン時は一番濃い状態となっており、ここで絞って最高回転が出ているとすると、徐々に燃料を消費するにつれ、燃料の流量が薄くなっていきます。それと同時に、燃料が少なくなればなるほどオーバーヒートの兆候が現れ、ガス欠寸前になるとオーバーヒートを起こしてしまうことになります。 対策としては、地上でニードルの設定をする際は、ピークを確認したら必ず数コマ戻すことを忘れないようにすることです。そして、飛行前に必ず機体を立ててみて、スローからハイまでスムーズにスロットルに付いてくることを確認しましょう。ここで息つくようであれば、さらにそこから数コマ戻すようにします。また機体の姿勢変化による燃料タンク内の泡立ちもオーバーヒートを起こす要因の一つです。バブレスウエイト等を使用して泡の無い燃料をエンジンに供給するようにしましょう。 上空でオーバーヒートを起こす原因としてニードルの絞りすぎがあります。

    原因②:ニードル・スプレーバー部の詰まり
    燃料タンクとエンジンをつなぐ燃料パイプの中で、燃料中のゴミや微細クズが集り一番流路の狭い部分に詰まってしまっているとオーバーヒートを起こす原因となります。燃料の流量が少なくなってしまい、その影響でニードルを絞ったのと同じ状態になり、オーバーヒートを起こすことになるからです。 対策としては、定期的にニードルを分解し、エアーガンなどで詰まっているものを吹き飛ばすような、メンテナンスをおこなうことが大切です。また、再度ゴミが流入しないように燃料フィルターを点検し、不具合があれば交換しておきましょう。 また、燃料補給時は必ず燃料フィルターの手前から給油することも忘れてはいけません。燃料フィルターが途中に入ったまま燃料を入れているフライヤーを案外多く見かけます。当たり前に思われるかもしれませんが、十分に注意したいポイントです。 その他では給油用の燃料ポンプの配管に燃料フィルターをつけていただく事で、燃料缶の中にあるゴミの侵入を防ぐ事が出来ますので、必ず装着してください。 燃料タンクとエンジンを結ぶ燃料パイプや燃料フィルターは定期的に交換して、詰まりをなくしたり、異物の混入を防ぐことが大切です。


    O.S.純正のスーパーフィルターバブレスウエイトを使用すると安定した燃料をエンジンに供給できますのでご使用をおすすめします。

    原因③:エンジン空気が当たらず熱が逃げ切らない
    これはスケール機などで起こることが多いオーバーヒートの原因です。実機を模したスケール機は飛行中エンジンそのものに風が当たらず、エンジンを冷やすことができなくなり、結果的にオーバーヒートにつながります。 対策としては、カウルの切欠きをできるだけ大きくしたいところですが、スケール機などでは見た目も重要だと思います。こういった時にオーバーヒートを起こさないようにするには、できるだけ入口よりも出口の面積を増やし、熱を外部に逃がすようにすることが大切です。出口をまったく設けないで、入り口ばかりを大きくしている方も多くみかけますが、カウル内の空気排出効率は出口の大きさと形状で決まりますので、積極的な排出を心掛けてください。 カウルに覆われたエンジンは空気が当たらず温度が高くなりがちです。また、熱が逃げていきにくいので、しっかりと排熱を考えなくてはいけません。

    原因④:エンジンにプロペラ後流が直接当たらない
    原因③に近いものですが、機体の形状やエンジンのマウント方法、スケール機のカウルなどさまざまな理由で、プロペラ後流がエンジンに直接当たらなかったり、飛行中の風量では充分に冷却できない場合があります。このようなエンジンの場合、できるだけ甘めのニードルセッティングで対処します。内燃機関において、混合気による冷却は直接風を当てるよりも重要です。甘めのセッティングにしたことでパワーが足りなくなったときは、ニトロの含有量をワンランク高い燃料に替えることによりパワーを確保するようにしましょう。 上空を飛行するスケール機。スケール機はスタイル重視なこともあり、エンジンのヘッドやエンジンそのものにプロペラ後流が当たりづらく、しっかりと冷却できていないことがあります。

    まとめ
    今回は模型用エンジンのオーバーヒートの原因とその対策について見てきましたがいかがでしたでしょうか?気温の上がりやすい夏場は特にエンジンのオーバーヒートが起こりやすくなる季節です。上空でのオーバーヒートは即墜落につながる危険性がありますので、しっかりと対策を施して、安全で快適な飛行を心がけるようにしましょう。 オーバーヒートを起こすとさまざまなトラブルが発生します。必ず今回のように対策を施して、特にオーバーヒートが起こりやすい夏場を乗り切るようにしましょう。

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