O.S.WEB MAGAZINE Vol.07 2019 FEBRUARY

    O.S.WEB MAGAZINE Vol.07

    4サイクルエンジンの構造とメンテンナス方法

独特の構造を持つ4ストローク

4ストロークエンジンは2ストロークエンジンと比べると構造が複雑で、その分、メカニカルな動きとなっており、模型好きにはたまらないものがあります。また、その独特のエンジンサウンドも魅力的なもので、特にスケール機マニアに支持されているエンジンです。  4ストロークは、2ストロークがクランクシャフトが1回転する間に1回爆発するのに対し、2回転する間に1回爆発します。具体的な行程としては「吸入」「圧縮」「爆発」「排気」の4行程があり、この間にクランクシャフトは2回転するようになっています。

2ストロークエンジンの行程



 大きな違いは2ストロークがクランクケース内の圧縮を利用して、混合気を吸入、排気するのに対し、4ストロークはシリンダーヘッドに吸気と排気のバルブを搭載し、カムとプッシュロッドを使ってタイミングを合わせて開閉するようにすることで、混合気の吸引と排気をおこなっている点にあります。  行程を詳細に見ていきましょう。ピストンが下がっていく(1度目)と同時に吸気バルブが開き、キャブレターから混合気が燃焼室に入って来ます。次にピストンが反動で上昇してくる際に吸気バルブが閉じるので、燃焼室は密閉状態となります。密閉状態の中でピストンが上昇してくるので、混合気は圧縮され、プラグの熱によって点火し、爆発を起こします。その爆発の勢いで再びピストンは下がっていき(2度目)、次に上がったくる際に今度は排気バルブが開き、燃焼室内の排気ガスはピストンによって外部へ押し出されていきます。これが4ストロークエンジンの仕組みです。

4ストロークエンジンの行程



 では、排気と吸気のバルブはどのように制御されているのでしょうか。バルブはシリンダーヘッド内に収められたロッカーアームによって制御されています。このロッカーアームを制御しているのが2本のプッシュロッドであり、そのプッシュロッドを押し上げているのが、クランクシャフトに取り付けられたカムシャフトです。このカムシャフトには非対称のカムと呼ばれる突起部分があり、この突起がクランクシャフトが回転するごとにタイミングよくプッシュロッドを押し上げることでロッカーアームが動き、2つのバルブが開閉するようになっています。  4ストロークは重量はかさみますが、1回あたりの爆発が強いため中低速域でのトルクには優れています。最高出力は2ストロークには及ばないものの、トルクを活かしたスケールライクな飛びをするスケール機によく用いられているのが特徴です。

4ストロークは2ストロークに比べて構造が複雑。だが、そのメカニカルな部分も魅力のひとつとなっています。

吸入

ピストンが下まで下降している状態。上の吸気バブルが開きキャブレターから混合気が燃焼室へ入って来ます。

圧縮

吸気バルブが閉じ、燃焼室は密閉状態となります。ピストンが上がり、混合気は圧縮させられます。

爆発

圧縮された混合気はグロープラグの熱で点火し、爆発します。その爆発によってピストンは下がっていきます。

排気

ピストンが再び上昇する際に排気バルブが開き、上昇してくるピストンによって排気ガスが外部へ排気されていきます。

4サイクルエンジンのメンテナンス方法(1)
ここからは4ストロークエンジンのメンテナンスの基本を見ていきたいと思います。2ストロークと比べて部品点数が多い4ストロークですが、適切な手入れをすることで長く本来の性能を出してくれます。なお、メンテナンスは自己責任でおこなうようにお願い致します。

まずはプロペラナットやプロペラワッシャー、ドライブワッシャーを外します。

次にキャブレターを取り外します。

次にカバープレートを取り外します。

プラグレンチを使ってプラグを取り外します。

次にロッカーカバーを取り外します。

ロッカーアームを2つとも取り外します。

プッシュロッドを2本とも抜きます。

シリンダーヘッドを取り外します。

ナイロン棒を使ってシリンダーを内側から押します。

内側から押すことでシリンダーライナーが抜けます。

ピストンピンを抜きます。

続いてピストンを抜きます。

さらにコンロッドを抜きます。

次にカムカバーを取ります。

中からカムシャフトとカムフォロアを取り出します。

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