低中速域の出力特性を持った「Type-S」

「Type-S」は低中速域の出力特性を持ったエンジンとなります。ロープロファイルヘッドと呼ばれる重心の低いヘッドを採用し、走行性能の向上に努めます。もちろん、エンジンの冷却には万全を期しており、ヘッドのフィンは枚数を増やし、さらに縦フィン自体の深さも延長。クーリング性能を向上させ、エンジンの冷却に努めています。また、こちらのシリンダー＆ピストンには、やはり新設計の掃気3ポート＋排気1エキゾースト・ポートのスタンダードなものを採用。ドライバーの操縦にしっかりとレスポンスし、比較的小さなコーナーのサーキットの多い日本にもマッチしたドライバビリティを実現しています。

好みの出力特性にチョイスできる。

ここで注目は特性の違う2タイプのエンジンが、ヘッド以外のクランクケースやクランクシャフトについては共通となっており、ヘッド、C＆P、キャブが組み換えが可能という点です。組み換えをおこなうことで、出力特性を変えて愉しめる点はこれまでのエンジンになかったもの。サーキットやスタイルに応じて最適なエンジンのカスタマイズができるようになったことで、ドライバーのさまざまな走りにしっかりと応えることができるはずです。

 

細部のこだわりもポイントの「B2103」

ここからはO.S. SPEEDならではのこだわりポイントを紹介していきたいと思います。まず、キャブレターのボールリンクの設計を変更し、リンケージの位置調節を容易におこなえるようにしています。また、そのキャブレターですが、バラしてもう一度エンジンに取り付ける際に取り付け位置が簡単に分かるように新たに刻印が施されました。これでひと目で固定位置を判別することができます。さらに、インナーヘッドには共振の低減と防塵性を考慮し、Oリングを新たに採用しています。他にも、マニホールドを固定するバネを取り付ける位置がヘッドのフィンに沿って固定できるようになり、スマートに収納することができるように設計しました。また、エンジンマウントをやや斜めにカットすることで、車体のセンターシャフトに接触しないように設計変更をおこなっています。 このようにドライバーが扱いやすいエンジンにするためのこだわりは、これまでO.S. SPEEDが心がけてきたポイント。ドライバーに長く愛されるエンジンに仕上げるため、サーキットで実際に走らせるドライバーの意見を多く取り入れ、常に改善を続けております。これからも世界の舞台で戦えるエンジンを開発を目指していきたいと思います。
O.S.SPEED B2103製品詳細ページ

 

こだわりポイント1

ボールリンクの設計を変更し、リンケージの位置調節を容易にしました。

 

こだわりポイント2

キャブレターに取り付け位置が分かる刻印を施し、キャブレターの交換やメンテ時に正しい位置に取り付けられるようにしています。

 

こだわりポイント3

インナーヘッド内に共振の低減と防塵性を考慮したOリングを採用しています。 写真はオフロードサーキット走行後直ぐに、インナーヘッドを外した状態です。インナーヘッドのOリングが埃の侵入を防いでいるのが分かります。

 

こだわりポイント4

マニホールドを固定するバネがフィンの内部に収まるよう設計しています。これでスマートに収納できるようになりました。

 

こだわりポイント5

エンジンマウントを斜めにカットすることで、車体内部でロッドが干渉しないように設計変更をおこないました。

 

世界戦で勝てるエンジンの開発を目指し、「B2103」の開発を主導した小川精機株式会社開発グループ グループマネージャーの湯上好弘と「B2103」。

 

力強い走りを見せる「B2103」を搭載したマシン。サーキットやスタイルに応じた走りが愉しめるエンジンです。 O.S.SPEED B2103製品詳細ページ