O.S.WEB MAGAZINE Vol.03

2サイクルガソリンエンジンのメンテナンス

    O.S.WEB MAGAZINE Vol.03

    快適飛行のために知っておきたい ガソリンエンジンのメンテナンス!

燃費の良さとグローエンジンとは異なるサウンドで人気のガソリンエンジン。特にRC飛行機では大型機を中心に愛好されており、ガソリンエンジンはひとつのジャンルとしてマニアに絶大な人気があります。  今回はそんなガソリンエンジンのメンテナンスを見ていきましょう。長く使用しているエンジンや、墜落してしまった機体に搭載されていたエンジン、しばらく使っておらず保管していたエンジンなどは分解してメンテナンスを施すことで、いつでも調子の良い状態を保ってくれるはずです。しっかりとメンテナンスをして、長く活躍してもらいましょう。なお、エンジンの分解は自己責任でおこない、分からない場合はO.S.のユーザーサポートにメンテナンスにお問い合わせください。
※掲載の記事はあくまでも参考資料です。ご自身で分解を行われパーツを破損された場合、保証対象外になる可能性もありますので、ご注意ください。
今回のモデルエンジンはO.S.の「GT33」ガソリンエンジン。高精度で組まれたガソリンエンジンは大型機マニアから絶大な支持を頂いております。
    2サイクルガソリンエンジンのメンテナンス(分解編)
    今回の講師はO.S.(小川精機)の高橋幸一。模型用エンジンのエキスパートであり、RCヘリのベテランフライヤーでもあります。

     

    さっそくエンジンの分解を始めていきます。まずはプラグを外します。

 

プラグを取り外すことができました。

     

    プロペラナットとプロペラワッシャを外します。

 

次に回転センサーを取り外します。

 

続いてドライブワッシャを外します。

 

次にカバープレートをクランクケースから取り外します。

 

キャブレターとバックプレートを取り外します。

 

キャブレターからリードバルブを取り外します。

 

リードバルブのガスケットを取り外し、リードバルブも分解します。

 

続いてクランクケースの中身の分解に移ります。

 


シリンダーヘッドを取り外します。

 

ピストンピンを外すためにカバーを開けます。

 

ナイロン製の棒でシリンダーライナーを押し上げます。金属製の棒などは内部を傷つけるので絶対に使用しないでください。

 

シリンダーライナーを取り外します。

 

ピストンピンリテーナーを取り外します。

 

ピストンピンを取り外します。

 

ピストンを取り外します。

 

ナイロン製の棒でコンロッドの回転を固定してクランクピンの止めネジを取り外します。このネジは逆ネジとなっています。

 

コンロッドを取り外します。

 

ここまで来るとクランクシャフトを取り外すことができます。

 

バラバラになった「GT33」。イグナイターや回転センサーなどガソリンエンジン特有の部品が見えます。

 

普段は見ることができませんが、ボールベアリングがゴロついていないか、錆びていないかを確認します。故障があればO.S.に交換に出してください。

 

クランクシャフトをクランクケースに入れて、指で回して曲がっていないか確認します。墜落した場合、クランクシャフトが曲がっていることがあります。

2サイクルガソリンエンジンのメンテナンス(組立編)

 

ここからエンジンをメンテナンスしながら組んでいきます。まずクランクシャフトを装着してからスラストワッシャーを入れます。

 

ウッドラフキーを取り付けます。

 

ドライブワッシャーを入れます。

 

ロックナットを取り付けます。その際に、ウッドラフキーが落ちないように注意します。

 

コンロッドはニードルベアリング上の刻印がある方がバックプレート側となるので向きに注意します。

 

クランクシャフトのクランクピンにコンロッドをはめます。

 

クランクピン止めネジでコンロッドを固定します。ネジは逆ネジになっていますので、注意してください。

 

ピストンリテーナーを1つ入れておきます。なお、リテーナーは一度取り外したらテンションが落ちるため、再使用せず新品と交換するようにしましょう。

 

ピストンリングをピストンに取り付けます。

 

ピストンにエンジンメンテナンスオイルを塗っておきます。

 

シリンダーライナーとピストンを仮組みします。

 

コンロッドを下死点に持っていきます。

 

シリンダーライナーをクランクケースに入れていきます。

 

ピストンピンはネジを切っている方が後ろとなります。ここにもエンジンメンテナンスオイルをさしておきます。

 

ピストンピンを入れていきます。

 

リテーナーを入れます。先ほどと同様、リテーナーは再使用しないで新品に交換するようにしましょう。

 

針のようなものでリテーナーを回して、きちんと入っているか確認します。

 

シリンダーライナーを押し込んでピンと位置を合わせます。

 

Oリングが破損していないか確認してから、クランクケースプラグを締めていきます。

 

ピストンやコンロッドの周りにもエンジンメンテナンスオイルをさしておきます。

 

カバープレートのパッキンが傷んでいないか確認しておきます。

 

カバープレートを取り付けます。

 

リードバルブにひびや破損がないか確認します。もしあるようなら交換となります。

 

キャブレターを組み上げます。

 

キャブレターをクランクケースに取り付けます。

 

シリンダーヘッドを取り付けます。

 

スパークプラグに汚れなどがないか確認してから、エンジンに取り付けます。

 

回転センサーを長穴の中央に取り付けます。

 

ニードルのハイ側を全閉から2回転開けておきます。

 

同様にスロー側も全閉から2回転開けておきます。

 

キャブレターのリターンスプリングはキャブレターの設定が変わってしまうので、決して外してはいけません。

 

サイレンサーのガスケットは馴染むまでネジが緩み易いので、1フライトごと必ず増し締めしましょう。

 

サイレンサーを取り付けます。

 

これで「GT33」ガソリンエンジンのメンテナンスは終了となります。

 

O.S.が性能確認しているゼノアのエンジンオイル。50:1と表記がありますが、O.S.では25:1での使用を推奨しています。
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