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キャブレターとニードルの基礎知識 

O.S.WEB MAGAZINE Vol.30

2021.Jan-Feb

エンジン機を飛ばすなら知っておきたい キャブレターとニードルの基礎知識 

模型用エンジンにおいて非常に重要な役割を担っているキャブレター。キャブレターセッティングは快適な飛行をおこなう上でしっかりとその取り扱い方法を覚えておきたい部品のひとつです。 そこで今回はキャブレターの役割とニードルの取り扱い、そして調整方法までを紹介していきたいと思います。

キャブレターとニードルはエンジンのベストパフォーマンスを出す上で非常に重要なアイテムとなっている。


①模型用エンジンにおけるキャブレターの役割

キャブレターはエンジンが回転するために必要な空気と燃料をエンジン内部に送り込む役割を担っています。模型用エンジンでは、キャブレターにニードルを組み合わせることで、エンジン内に空気と燃料を適正な割合で混合気として送り込むために、燃料の流量を調整することができるようになっています。エンジンがベストなパフォーマンスを発揮するためには適切な混合気をシリンダーに送り込む必要があり、ニードルの調整は非常に重要なものとなってきます。 キャブレターはスロットル全開時における空気と燃料の比率を調整する「ニードルバルブ」、安定したアイドリングとスムーズな中速への吹き上がりが得られるように混合気を調整する「アイドル調整バルブ」、アイドリングの回転数を調整する「スロットルストッパー」などで構成されています。

エンジンが回転するために必要な空気と燃料をエンジン内部に送り込む役割を担っているキャブレター。写真はエンジンからキャブレターを取り外した状態。

②ニードル調整が必要な理由

模型用エンジンは気温、湿度などにより、燃料に含まれるオイルの粘度等が変化します。 例えば、オイルの粘度が柔らかくなると、燃料の流れが良くなり、必要以上にエンジン内部に燃料が入るため、ニードルを絞り、最適な流量に調整が必要となります。反対にオイルの粘度が固くなりますと、燃料の流れが悪くなり、ニードルを甘くする方向に 調整が必要となります。

ニードルを調整することでエンジン内部に入る燃料を最適な流量に調整することができる

③ニードル調整が必要な状況とは

では、ニードルはどのような時に調整する必要があるのでしょうか?模型用エンジンは気温や湿度の変化によって、ニードルの調整が必要となります。特に、その日の最初のフライトは前回の最後に運転した条件と異なることが多いため、スロットルを全開にし、メインニードルの調整が必要となります。また、アイドリングが安定して続かない場合は、アイドル調整バルブ(スローニードル)、または空気調整ネジの調整をおこないます。 具体的な調整方法ですが、ブスブスと音を立てて、止まってしまう場合はアイドリングのニードルが濃い症状ですので、その際は、アイドル調整バルブを時計回りに絞ります。 一方、エアブリードタイプのように、空気調整ネジによって、アイドリングを調整する機構の場合は、アイドリング時の空気の流量を変化させるため、アイドル調整バルブとは反対に、空気調整ネジを反時計回りに開き、空気の流量を増やして、調整をおこないます。 反対にアイドリングはある程度続いても、立ち上がりでスロットルにリニアに反応しない、またはエンジンが止まってしまう場合は、薄い傾向にあります。アイドル調整バルブなら反時計回りに開き、空気調整ネジの場合はネジを時計回りに締め込み、調整をおこなましょう。調整する際は製品付属の取扱説明書をよくお読みください。(下記図は取扱説明書から抜粋)



キャブレターに取り付けられているニードル。メインニードルとスローニードルがあるものと、空気調整ネジが付いているエンジンがある。

④スタンダードなニードル調整の方法

まずは、スロットルを全開にしてメインニードルを合わせます。お手持ちのエンジンの取扱説明書の基準のニードル開度にしておいて、ブツブツと音を立てたり、回転が不安定な場合はニードルが濃い状態だと判断できます。少しずつニードルを時計回りに締め込み、ニードルのピークを出します。 ニードルのピークについては、一般的にエンジン音がブツブツから奇麗な音に変わった ところと、音の変化で合わせますが、変化が分かりにくい場合、タコメーターを使用することでピークの回転数を出しやすくなります。 メインニードルを合わせた後、アイドリングを確認し、必要に応じてアイドル調整バルブ、空気調整ネジを調整します。なお、アイドル調整バルブ等を調整した場合、わずかですが、メインニードルにも影響しますので、再度スロットルを全開にして、メインニードルを確認し、必要に応じて再調整をおこなってください。

飛行前は必ずニードル調整をおこない、しっかりとアタリをつけてから飛行させる。

⑤キャブレター(ニードル)調整時の注意点 

前述したように、キャブレターはエンジンのパフォーマンスを発揮するために、重要な役割をしておりますので、調整を間違えますと、エンジンのパフォーマンスを発揮出来なくなり、最悪の場合、オーバーヒートなどのエンジンのダメージに繋がります。特にメインニードルとスローニードルの絞り過ぎには十分注意が必要です。 慣れるまでは知識のある方に一緒に見てもらいながら調整するのが良いでしょう。また、飛行前は必ずニードル調整をおこなうクセをつけ、アタリのついたエンジンで安心かつ快適な飛行ができるようにしてください。

しっかりと調整されたエンジンを搭載した機体は、素晴らしいエンジンサウンドを響かせながら快適な飛行をしてくれることでしょう。


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