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O.S.WEB MAGAZINE Vol.61

2023 Nov.-Dec.

季節の変わり目にしっかりおこないたい グローエンジンのニードル調整!

気温が下がってきて寒い季節になってきましたが、皆さんのエンジンの調子はいかがでしょうか?模型用エンジンはさまざまな調整やメンテナンスが必要ですが、それが逆に電動機にはない面白さとなり、現在でも多くの愛好家がエンジン機を楽しんでいます。
そんな模型用エンジンですが、そのパフォーマンスを最大限出すためには、細かなニードル調整が必要になってきます。これは季節ごとに気温の影響もあり混合気が濃くなったり、薄くなったりするのをニードルで調整するもので、季節の変わり目を中心に、飛行前に必ずおこなうものです。しかし、ニードル調整とひとくちで言っても、実際にどうやればいいのかわからない人もいらっしゃるでしょう。そこで今回は模型用エンジンとして最もポピュラーな、グローエンジンにおけるニードル調整について紹介していきたいと思います。

①飛行機用グローエンジンのニードル調整
先程も書いたように、エンジン機には電動飛行機では味わうことのできない部分として、内燃機関としてのエンジン始動だけでなく、気圧や湿度といった天候にも左右される繊細な模型エンジンを、毎回最高の状態に調整するという楽しみがあります。
模型用エンジンを、アイドリングから最高回転の状態まで、エンストの心配もなく、スロットルスティックの動き通りレスポンスよく運転するためには、どの回転域においても最適な混合気に調整することがポイントであり、その調整をおこなう作業がニードル調整です。まずは飛行機用グローエンジンのニードル調整を見ていきましょう。


グローエンジンのニードル部分。燃料の流入量を調整し、適切な混合気を作る役割を担っています。

エンジンの回転はニードルバルブの動きより変化が遅いので、一度に大きな角度で回したり、早く回すと調整がしにくくなります。
説明書記載(LAシリーズ)のニードル調整図、ニードルはゆっくり回して調整する事が基本です。上図は参考図なので回す角度と位置は、エンジンによって異なります。

グローエンジンの一般的な調整方法は、エンジンを始動し、回転が安定したところで徐々にスロットルを上げていき、フルハイの状態で、まずは最高回転のニードル調整をおこないます。このときのポイントは、ニードルをゆっくりと閉めていき、最高回転になったところから、かならず2~3コマ戻してあげることです。戻す量については、エンジンや燃料によってもさまざまですが、数コマ戻す程度が一般的です。これは、機体が地上から上空へ上がると、混合気は若干薄くなるためで、地上ではわずかに混合気を濃い状態に設定しておくのがポイントです。


ニードル調整がしっかりとおこなえているエンジンはベストなパフォーマンスを発揮してくれて、快適なフライトを楽しむことができます。

最高回転が安定したならば、次に低回転域の調整をおこないます。アイドリング状態で10秒程度待ってから、スロットルスティックをすばやくハイにし、多めの排気煙を出し、もたつきながら吹き上がる場合には、混合気が濃い状態ですので、スロー調整ネジを回して薄くする。また、音に力がなく息をついて吹き上がるか、エンストする場合には、逆に混合気は薄い状態ですので、スロー調整ネジを回して濃くします。この作業を繰り返し根気よくおこない、アタリを出してエンジンのベストパフォーマンスを引き出します。


ニードル調整は季節が変わり気温が変化するタイミングや、サイズの異なるプロペラへ交換したり、燃料を変えた時も入念におこなう必要があります。

ニードル調整は飛ばす前に必ずおこなう必要がありますが、特に季節が変わり、気温が変化していくタイミングでは入念に調整をおこないましょう。なぜならば、燃料中に含まれるオイル分は気温の変化によってその粘度が変化し、一番狭くなっているニードル部を通過する流量が一定ではなくなるためです。気温の高い夏場は燃料がサラサラになることで流れが良くなり、燃料が多く流入されることで混合気は濃くなりがちです。一方、寒い冬場は逆に薄くなりがちで、スロットルスティックを上げても回転が付いて来ないことが多いです。
混合気が濃い場合の症状としては「排気が多い」「スティックにエンジンが追従しない。」「エンジン音がゴボゴボしてこもっている」といったことが挙げられます。この場合はニードルを少しずつ絞っていき、適切な状態になるまで調整してみましょう。
逆に薄い場合の症例としては「排気が少ない」「機体に振動が出ている」「エンジン音がカリカリとして甲高い」「エンジンが過回転となっている」といった状態です。この場合には、ニードルを2~3コマ開けていき、混合気を少し濃い状態にしてやることで、快調に吹きあがるようになるはずです。


調整によってアタリの出たエンジンは本来の性能をしっかりと出してくれます。ニードル調整は安全面でも非常に大切なポイントになります。

②ヘリ用グローエンジンのニードル調整
次にヘリ用グローエンジンのニードル調整を見ていきたいと思います。基本は先程の飛行機用と同じで、少しずつ根気よくニードル調整をおこなっていくしかありません。また、ヘリの場合はエンジンが上空でストップしてしまうと即墜落になってしまいますので、面倒くさがらず必ず飛行前に入念なニードル調整をおこないましょう。
まず、エンジンを始動させます。この時にエンジン内の混合気が燃料が多く濃い場合は、マフラーから出る排気が多くなり、生の燃料がそのままピシャピシャ出るなどの症状が起きます。また、排気音もゴボゴボとした柔らかい音になりがちです。このような場合、スロットルに対してエンジンの回転が追従してこず、回転が上がってこないため適切なパワーが出なくなってしまい、満足な飛行ができません。このような時は、メインニードルとスローニードルを絞っていきアタリを出していきます。最初にメインニードルを2コマずつ絞って調整し、次にスローニードルも3~5度くらいずつ絞っていきます。するとあるところで排気が適量になり、エンジンサウンドからゴボゴボしているものがなくなっていき、アタリが出るはずです。


マフラーから多く排気が出ており、生の燃料が噴出されていたり、排気音がゴボゴボとなっている場合は混合気が濃い状態になります。燃料が流入しやすい夏場になりがちです。


混合気が濃い場合はメインニードルを2コマずつ絞って調整していきます。


同様にスローニードルも3~5度くらいずつ絞っていきます。どこかのタイミングで、排気が適量になり、エンジンの音もゴボゴボから快適なサウンドに変化するはずです。

一方、燃料が少なく混合気が薄い場合は、マフラーから出る排気が見えなくなり、エンジンから出る音もカンカンとした不快な金属音が聞こえてきます。こうなるとエンジンの反応が敏感で回転が下がらなくなるだけでなく、エンジンそのものが焼き付いてしまいますので非常に危険です。このような場合は、メインニードルとスローニードルを開けていく必要があります。まず、メインニードルを2コマずつ開いて調整していきます。同様に、スローニードルも3~5度くらいずつ開いていきます。すると、排気が見えるようになり、エンジンサウンドから金属音がなくなり、軽快な排気音になっていきますので、あとは微調整でアタリを出していきます。


こちらはマフラーから出る排気がほとんど見えない状態です。冬場に発生しやすい、いわゆる混合気が薄い状態で、このままではエンジンが焼き付いてしまいます。


混合気が薄い場合はメインニードルを2コマずつ開いていきます。


スローニードルも3~5度くらいずつ開いていきます。先程まで見えなかった排気が白く見えるようになり、エンジンサウンドも不快な金属音がなくなっていき、本来の音になってくるはすです。

③まとめ

今回は模型用グローエンジンにおけるニードル調整の仕方について紹介してきました。季節の変わり目だけでなく、プロペラを変更したり、燃料を異なる種類にした場合も必ずニードル調整が必要です。愛機のエンジンが常にベストなパフォーマンスを発揮できるように、飛行前は必ずニードル調整をおこなって、快適なフライトを楽しんでください!


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