O.S.WEB MAGAZINE Vol.44
2022 Aprilここがポイント! ヘリ用エンジンメンテナンス術
エンジンヘリの動力源であるエンジンには、飛行中大きな負荷がかかっています。また、燃料がエンジン内に残っているとそこから錆が発生し、正しい動作をしなかったりパワーが出ないなどさまざまな不具合が出てくることがあります。こういった不具合が飛行中に発生すると、最悪墜落につながることもあり、機体が壊れるだけでなく、周囲に危険を与えることにもなってしまいます。そういった不具合が出ないように、精密な内燃機関であるエンジンは適切にメンテナンスを施してやる必要があります。
そこで今回は、O.S.ヘリ用グローエンジン「MAX-32SX-H RING」をモデルに、ヘリ用エンジンのメンテナンスについて紹介していきたいと思います。エンジンに長く優れたパフォーマンスを出してもらうためにも、しっかりとメンテナンスをしていきましょう。
※エンジンの分解は自己責任でおこなうようにしてください。
②「MAX-32SX-H RING」のメンテナンス手順
プラグレンチを使ってプラグを取ります。
次にキャブレターを外します。
エンジン本体からキャブレターが外れました。
次にシリンダーヘッドを外します。
本体からシリンダーヘッドが取れました。
次にカバープレートを外します。
本体からカバープレートが外れました。
ナイロン製のような柔らかい素材の棒でシリンダーライナーを押し上げ取り外します。
シリンダーライナーとコンロッドを外します。
クランクシャフトからプロペラナットやスラストワッシャーを外します。
ナイロンハンマーを使ってクランクシャフトを外します。
本体からクランクシャフトが外れました。
分解された「MAX-32SX-H RING」。2ストロークエンジンは思ったより部品点数は少ないです。
金属部分は軽油で磨きます。その際に0リングがある部品とキャブレターは軽油に浸けてはいけません。
エンジンの各部にガタがないか確認しながら組み立てていきます。先に防錆材を注入してからクランクシャフトを差し込みます。O.S.純正の「O.S.SPEED メンテナンスオイル」を推奨します。
プロペラナットやスラストワッシャーを取り付けます。
防錆剤を注入してからピストンとコンロッドを差し込みます。O.S.純正の「O.S.SPEED メンテナンスオイル」を推奨します。
ピストンとコンロッドを取り付けました。
シリンダーライナーを下死点で入れます。
シリンダーライナー周りにも防錆剤を注入しておきます。O.S.純正の「O.S.SPEED メンテナンスオイル」を推奨します。
バックプレートを取り付ける前にコンロッドやピストン周りにも充分に防錆剤を注入しておきます。O.S.純正の「O.S.SPEED メンテナンスオイル」を推奨します。
バックプレートを取り付けます。
シリンダーヘッドを取り付けます。
キャブレターが軽く動くか確認しておき、ガタがあるようなら交換するようにします。
キャブレターの取り付けはOリングが浮いた状態にならないように、しっかりと押さえつけて取り付けます。浮いているとニードル以外からエアーが入ってオーバーヒートしてしまいます。
最後にプラグを取り付けてメンテナンスは終了です。