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O.S.WEB MAGAZINE Vol.32

2021 Apr.

ここが違う!2ストロークと4ストロークエンジンの フライトを徹底比較!

2ストと4ストの違いは!?

RC飛行機を購入していざグローエンジンを搭載しようと考えた時に、機体メーカーの推奨エンジンサイズを見ると、通常2ストロークなら◯◯サイズ、4ストロークなら◯◯サイズ、と記載されています。それぞれ機体に合ったサイズが指定されており、この推奨されたサイズのエンジンを搭載すれば、まず間違いなく快適な飛行を楽しむことができるものです。

扱いやすく、パワーのある2ストロークエンジン。初心者ならば2ストロークエンジンを高翼機に搭載して楽しむことが多いです。

さて、ここで迷うのが2ストロークと4ストロークどちらのエンジンを搭載するか、ということです。特にこれまで電動機のみの経験者や、RC飛行機、初心者の方は迷うのではないでしょうか? そこで今回は、実際に2ストロークと4ストロークのグローエンジンを機体に積んで飛ばしながら、それぞれの特徴を見ていくことにしたいと思います。双方の特徴やメリットをしっかり理解して、機体やフライトスタイルに応じたエンジン選択ができるようになりましょう
エンジンとモデル機の紹介
さて、今回それぞれのモデルエンジンとして取り上げるのは、2ストロークが「MAX-46AX II」、4ストロークが「FSα-72Ⅱ」というO.S.のRC飛行機用エンジンとしては定番のものを選択してみました。

自立安定性に優れた高翼機であるフタバ「スカイリーフクラシック」。初心者でも安心して飛ばせる飛行機です。


機首に正立で搭載されたOS「MAX-46AX II」。正立で搭載されているのでエンジン調整がしやすく、初心者にはもってこいの組み合わせです。


こちらは4ストロークエンジン搭載用に用意したフタバ「スカイリーフマスター」。高いスタント性能はベテランフライヤーをも満足させる機体となっています。

「スカイリーフマスター」の先端に倒立で搭載されている「FSα-72Ⅱ」。なお「スカイリーフマスター」に4ストロークエンジンを搭載する際は、専用の防火壁が必要となります。

どちらのエンジンも安定したパワーと扱いやすさで定評のあるエンジンとなっており、多くのフライヤーの方々にご愛顧頂いております。また、燃料はO.S.から発売されている「ナイトロックス」の「パワー」を選択しました。

「両機で使用したグロー燃料はもちろんO.S.の「ナイトロックス」。今回は新製品ニトロ20%の「パワー RED」を使用しました。

今回はこの2つのエンジンを、2ストロークはFutaba「スカイリーフクラシック」、4ストロークは高いスタント性能を誇るFutaba「スカイリーフマスター」に搭載してそれぞれの違いを見ていきたいと思います。
比較ポイント①:エンジンパワー
一般的に同じ排気量ならば2ストロークの方がパワーがあります。実際に4ストロークエンジンを搭載していた機体を同じサイズの2ストロークエンジンに載せ替えると、そのパワーの違いが実感できるはずです。2ストロークはエンジンの重量自体は軽いですが、最高出力は4ストロークより高く、エンジンを吹かせばパワーが出るため、機体を軽量に仕上げつつ、よりパワーを求めるならば2ストロークを選択することをオススメします。

「垂直に上昇していく2ストロークエンジン搭載機。そのパワーをまざまざと見せつけてくれるシーンです。

では4ストロークはパワーで負けているからダメなのかというとそうではありません。4ストロークエンジンは構造が複雑な分、2ストロークより重量がかさみますが、2ストロークに比べてトルクがあります。特に中速域でトルクがあるので、比較的低速から中速域で演技することが多いスタント機などでは4ストロークエンジンが選ばれることが多いです。トルクがあるということは、大きいプロペラを回すことができ、上昇途中にさらにトルクが欲しい時に有効であったり、垂直降下時にエンジンブレーキがよく効くといった特徴があります。スタントの練習をするならば間違いなく4ストロークを選択すべきでしょう。
比較ポイント②:スティックワーク
2ストロークと4ストロークではスロットルのスティックワークも大きく異なってきます。飛ばす機体やエンジンのサイズにもよりますが、2ストロークはそのパワーを活かしてスローか全開のどちらかを多用して飛ばすイメージなのに対し、4ストロークはトルクがあるので、スロットルの中速域が2ストロークより幅広く使えるイメージがあります。 多くのフライヤーの方々からは「4ストロークの方がスロットルのスティックワークに対してリニアについてくる感じがする」という感想をよくいただいておりますが、それほど同じグローエンジンでもそのスティックフィーリングは大きく異なってきます。どちらが良い悪いではなく、双方にそれぞれ特徴があることを理解しておくことが大切です。
比較ポイント③:エンジンの調整
一般的に調整がしやすいのは2ストロークと言われています。ニードル調整の範囲が広く、調整がアバウトでもしっかりと飛んでくれるものが多く、その点が初心者にとって扱いやすいと言われる理由です。 一方で4ストロークの調整は2ストロークと比較するとニードルの反応が鈍いというだけで、決して難しいものではありません。最近の4ストロークエンジンは性能も上がっており、一昔前のエンジンと比べると格段に扱いやすくなってきています。 4ストロークのニードル調整時に注意するのは、4ストロークの場合大きなプロペラを使うことが多いので、プロペラの音が大きいことで調整時に回転の変動が分かりにくく、ピークが出たのか分かりにくい点。回転計を使うなどして、ピークがしっかり出ていることを確認できるようにしましょう。

使用しているプロペラは13×6のもの。トルクのある4ストロークエンジンの特徴として大きなプロペラを回せる点が挙げられます。

比較ポイント④:エンジンサウンド
2ストロークと4ストロークで大きく異なるポイントの一つにエンジンサウンドがあります。2ストロークはどちらかというと甲高いサウンドなのに対し、4ストロークは独特の重低音が響くタイプが多く、このサウンドを求めてスケール機のエンジンはほとんどが4ストロークとなっています。あくまで個人の好みですが、エンジンサウンドはエンジン機を飛ばす中で大きな魅力の一つだと思いますので、そういった側面からのエンジンの選択もありだという事も覚えておいてください。上空から急降下するスケール機から響く重低音のエンジンサウンドの迫力は、一度体験したら病みつきになる魅力があります。

4ストロークエンジン独特の低く深みのあるエンジンサウンドを轟かす「FSα-72Ⅱ」搭載の「スカイリーフマスター」プロペラは13×6を使用しました。

フライトインプレッション①
2ストロークエンジン搭載機
さて、それでは早速今回用意した2機を飛ばしてみたいと思います。まずは2ストロークエンジン「MAX-46AX II」を搭載した「スカイリーフクラシック」です。このエンジンは機体の推奨エンジンでもあり、きっと快適な飛行を見せてくれることでしょう。 フライトはO.S.所属のF3Aフライヤーである羽根田仁が 担当します。 早速、O.S.のグロー燃料「ナイトロックス」を250ccのタンクに満タンに注入してエンジンをスタート。この日は肌寒い一日でしたが、エンジンは何の問題もなく一発でスタートしました。2ストローク独特の甲高いエンジンサウンドが飛行場に響く中、ピークもしっかり出ており、スローも安定しているのを確認したら離陸へ移ります。スロットルを上げていくと、加速した「スカイリーフクラシック」は地面を蹴って一気に上昇していきます。風が強いコンディションとなってしまいましたが、真っ直ぐに上昇していく機体を見ていると、早くも素晴らしいフライトになる予感がします。

大空めがけて離陸した「スカイリーフクラシック」。パワーも充分でグイグイと力強く上昇していきました。

上空では撮影用に、やや高度を落としながら直線飛行やサイドスリップ気味に飛ばしましたが、どれも軸の通った安定した飛行はさすが。厚みのある上反角の付いた主翼により、自立安定性に優れているのが明らかです。旋回からの立ち上がりもスムーズで初心者の練習機に最適なのではないでしょうか。

強風の中、軸の通った直線飛行を見せる「スカイリーフクラシック」。2ストロークエンジンならではの甲高いエンジンサウンドが飛行場に鳴り響きます。

さらに2ストロークのパワーを確認するため、機体を真っ直ぐ上昇させ大きな弧を描きながら雄大なループを敢行。大きな真円を描いたループは上昇中でもしっかりとパワーが機体に供給されているのが分かります。さらに、上昇からのストールターン。こういった飛びを見ていると、高翼機らしからぬスタント性能を持った「スカイリーフクラシック」は、初心者だけでなくベテランフライヤーでも充分に楽しめる機体なことを再認識させられます。

大きなループを描く「スカイリーフクラシック」。澄み切った青空の中、素晴らしい伸びのあるパワーが印象的なフライトでした。

飛行後にエンジンの印象を聞いてみたところ「フライト中はほとんどハーフスロットルで飛ばせました。2ストロークはパワーに余裕があるので、スロットルを入れればパワーが出ることもあり安心して飛ばすことができますね」とのこと。撮影も含めかなり長時間飛ばした気がしましたが、飛行後にタンクを見たところ1/3ほど燃料が残っていました。練習を繰り返す初中級者には、燃費という点でもエンジン機のメリットを感じていただければと思います。
フライトインプレッション②
4ストロークエンジン搭載機
さて、続いては4ストロークエンジン「FSα-72Ⅱ」を搭載した「スカイリーフマスター」を飛ばしてみることにします。機体データを見てみると、この機体のメーカー推奨エンジンは4ストロークの場合は62~81クラスとなっているので、まさにピッタリなエンジンです。 早速「スカイリーフマスター」の300ccタンクに「ナイトロックス」を注入してエンジン始動に入ります。燃料をエンジンに呼び込み、プラグヒートをしてスターターで回したところこちらも一発で始動。身体に響くような4ストロークの重低音サウンドがたまりません。しっかりとニードルのピークもでているようで、すぐにフライトを開始することにします。

離陸を開始する4ストロークエンジン搭載の「スカイリーフマスター」。比較的短距離でランディングギアは地面を蹴って離陸しました。

スロットル全開で離陸する「スカイリーフマスター」。スタント機らしい急上昇では決してなく、徐々に高度を上げていく離陸が美しさを感じさせます。上空でトリムを確認すると、4ストロークの中速域でのトルクの良さを魅せつけるようなゆったりとした中速フライトへ。強風をものともしない直線飛行や4ポイントロールは、その高いスタント性能をしっかりと認識させてくれるもの。ループでは上昇中に見ている者にもトルク感が伝わってきますし、降下中はエンジンブレーキが効いて、無駄な加速をせず、ゆっくりと降りてきます。4ストロークとスタント機の相性の良さを見せてくれたフライトでした。

高いスタント性能を見せる「スカイリーフマスター」。4ストロークエンジンとの相性もバッチリのようで、快適な飛行を見せてくれました。

飛行後に2ストロークエンジンとのフィーリングの違いを聞いてみたところ、「搭載したエンジンに余裕があり、ループもハーフスロットルくらいででき、全開を多用せず飛ばせるので全体的に余裕を持って飛ばせました。トルクがあり、中速域がしっかりしているのでF3A機のように飛ばせました」とのこと。かなりの好感触だったようで、満面の笑みでフライトを締めくくってくれました。

スムーズな着陸で帰還した「スカイリーフマスター」。最後まで安定した飛行でした。

自分に合った最適なエンジンを搭載する
今回、2機を飛ばしてそのフィーリングを比較してみることにしましたが、2ストロークと4ストロークのどちらを選ぶかは最終的には個人の主観に拠るところです。機体やフライトスタイルに応じて、最適と思ったエンジンを選ぶことが大切です。注意頂きたいのは、必ず機体メーカーが推奨するサイズのエンジンを搭載するということです。推奨サイズより小さいと当然パワー不足になりますし、大きすぎるとオーバーパワーでまともに飛ばない機体となってしまう恐れがあります。推奨サイズに範囲がある場合は、下限より一つ上のサイズを選ぶことでパワーに余裕が生まれ、スロットルワークが楽になります。また、同じ機体でも2ストロークから4ストロークに換装することで(逆のパターンも)、これまでとまったく異なることもあります。いろいろ試しながらその機体にベストなエンジンを探すようにしてみましょう。
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