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ホーム  O.S.WEB MAGZINE Vol.63 知っておきたい! 2ストロークグローエンジンのメンテナンス術

O.S.WEB MAGAZINE Vol.63

2024 Feb.

フライトシーズンに向け、知っておきたい! 2ストロークグローエンジンのメンテナンス術


①はじめに
皆さんは定期的にエンジンのメンテナンスをおこなっていますでしょうか?しっかりとメンテナンスされたエンジンは、長くベストなパフォーマンスを発揮してくれて、快適な飛行を実現することができます。しかし、メンテナンスをサボっているとエンジン内部にガタが来て、エンジンの故障につながるだけでなく、フライト中に不具合が起こり、愛機とともに墜落…なんてことも考えられます。 そこで今回は、フライトシーズン到来前におそらくみなさんの愛機にも搭載されている2ストロークのグローエンジンを題材に、エンジンのメンテナンス術をご紹介したいと思います。 ※エンジンの分解は個人の判断と責任でおこなってください。
②エンジンの分解

まずエンジンを分解していきます。最初にプロペラナットやプロペラワッシャー、ドライブワッシャーを外します。

ドライブワッシャーを外す際は機種によって非常に小さいウッドラフキーが付いている物がありますので、キーを落として紛失しないよう注意します。

次にキャブレターを取り外します。Oリングがエンジン本体についてこないように注意しましょう。

次にプラグレンチを使ってプラグを外していきます。

さらにシリンダーヘッドを外します。

続いてカバープレートを外します。

柔らかい素材の棒などでシリンダーライナーを押し込んで外します。写真はナイロン製のものを使用した例。

さらにコンロッドを外します。

次にナイロンハンマーを使ってクランクシャフトを外していきます。

意外なほど簡単に分解できたO.S.「MAX-46AX II」。ここからメンテナンスをおこなって、元の姿に戻していきます。
③分解したエンジンにメンテナンスを施す。

見事に焼き付いてしまったピストン。焼き付くとパワーが出なくなったり、スローで止まる、吹き上がらないといった症状が出てきます。こうなってしまったらメーカーに修理に出し交換するしかありません。

こちらは焼き付いたシリンダーライナー。見ての通り内側が焼き付いてしまっています。ピストン同様の症状が出るのでこちらも交換となります。特にオーバーヒートが原因でひずむことも多い部分です。

金属の部分を軽油で洗浄します。ただし、Oリングがある部品は軽油につけないようにしてください。

錆ついたり割れて取れてしまったベアリング。アイドリングで異音がするようになってしまいます。こちらもサービス係に送って新品のベアリングと交換しなくてはなりません。

すべて分解した状態でO.S.SPEEDメンテナンスオイルを各部に注入していきます。

ベアリングを交換した際はプロペラを取り付けて軽く回転すればきちんと収まっていることになります。回らないければベアリングが浮いている状態なのでナイロンハンマーなどで叩いて入れてください。

コンロッドは摩耗したり、オーバーチョークで無理に回して曲がってしまったりします。バラしたときに良く見て異常があれば交換しましょう。

④エンジンの再組立

再び組み立てる前に、念のためピストンピンにO.S.SPEEDメンテナンスオイルを注入しておきましょう。

コンロッドにもO.S.SPEEDメンテナンスオイルを注入します。

同様にシリンダーライナーにもO.S.SPEEDメンテナンスオイルを注入します。

ピストンとコンロッドを入れます。

シリンダーヘッド周辺にもO.S.SPEEDメンテナンスオイルを注入しておきましょう。

シリンダーライナーを下死点の位置で入れます。

カバープレートを取り付けます。

シリンダーヘッドを取り付けます。

プラグをプラグレンチを使って取り付けます。

続いてキャブレターのメンテナンスをおこないます。メインニードルは目視で曲がっていないか、ネジが軽く動くかチェックします。曲がっているようなら交換が必要です。

アイドリング調整ネジはドライバーで回してみて、極端に軽かったり固くて回らない場合はOリングを交換しましょう。緩いと勝手に動いてしまいニードル設定が変わってしまう可能性があります。

キャブレターも軽く動くかチェックします。錆びているようならば交換が必要です。

最後にキャブレターを取り付けます。Oリングが浮かないように押さえつけて締め上げます。これで2ストロークエンジンのメンテナンスは完了です。
⑤まとめ
今回は2ストロークグローエンジンのメンテナンスについて紹介してきました。今回紹介したような本格的なエンジンのメンテナンスは、飛行する度におこなう必要はないですが、1シーズンに1~2回はおこなってエンジン内部を良好な状態に保つようにしましょう。また、久々に始動するエンジンは、その前にメンテナンスをおこなうようにしましょう。 常にエンジンのベストなパフォーマンスを引き出すためには、常日頃からのメンテナンスが重要です。ぜひ調子の良いエンジンで、快適なフライトを楽しんでください。

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