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O.S.WEB MAGAZINE Vol.59

2023 Sep.

始めるならここから!憧れのガソリンエンジン飛行機!

ラジコンの醍醐味である模型用エンジンを搭載した飛行機を飛ばす時、多くの人は グローエンジンをイメージするのではないでしょうか?グローエンジンは取り扱い も容易で安価であり、さまざまな排気量のエンジンがラインナップされていること もあって、模型用エンジン=グローエンジンを想像するフライヤーが多いことでし ょう。 しかし、もうひとつ模型用エンジンにはガソリンエンジンという選択肢もありま す。そしてこのガソリンエンジンに憧れているフライヤーも多くいらっしゃること でしょう。いつかはガソリンエンジン機を飛ばしてみたい…。今回はそんなガソリンエンジンについて紹介していきたいと思います。
憧れのガソリンエンジン。今回はそんなガソリンエンジンの魅力と基礎知識につい て紹介していきたいと思います。
①グローエンジンとの違いは??
グローエンジンと、ガソリンエンジンとの違いといえば、まず使用する燃料が違う ことが挙げられますが、エンジンそのものの相違点としては、点火方式の違いがあ ります。グロープラグを装備し、エンジンの爆発による熱を利用して点火コイルを 赤熱させ、次の爆発へと点火をおこなうグローエンジンとは違い、スパークプラグ によって適切なタイミングで火花を飛ばし、圧縮された混合気へと点火をおこなう ガソリンエンジンは、アイドリングも安定し、比較的エンストの恐れも少ない特徴 があります。 模型用ガソリンエンジンの点火方式には、1次コイルへの電源供給を、フライホイールに取り付けたマグネットとCDIなどの点火装置側のマグネットとの間で起電した 電力によっておこなうマグネット点火方式と、1次コイルへの電源供給をバッテリー から供給するバッテリー点火方式の二通りの方式があり、マグネット点火の場合に は点火用バッテリーが必要ないという利点があり、バッテリー点火方式の場合に は、大きく重いフライホイールを取り付ける必要がなく、特に模型用小型ガソリン エンジンの場合には重量的に有利となります。 また、キャブレターの仕組みも異なります。グローエンジンの場合には、混合気の 吸入量を調整するスロットルバルブと燃料の供給量を調整するニードルバルブ、そして混合気の濃さを調整するスローニードルなどで構成されており、条件の変化によってその都度ニードル調整やスロー調整などを必要とします。しかし、ガソリンエ ンジンの場合には、どんな姿勢でも適切な混合気の供給が可能であるダイヤフラム 式キャブレターが搭載されています。そういった意味で、ガソリンエンジンは難しい調整を必要とせず、意外と手軽なエンジンと言えます。そんなガソリンエンジンのメリットは、グローエンジンと比較して、「より安いコ ストで大きなパワーが得られる」という点です。飛行させる場合のランニングコス トを考えると、ガソリンエンジンは燃費が非常にすぐれていることに加え、燃料となるガソリンは一般的に草刈機などに広く使用されている混合ガソリンであり、2サイクルオイルと合わせても、グロー燃料と比較すると、約1/5以下というランニング コストで済むこととなり、特に大型機を楽しむフライヤーにとってはコストパフォーマンスに優れたエンジンということができるでしょう。

ガソリンエンジンのスパークプラグ。CDIなどの点火装置によってタイミ ングよくスパークし爆発させるので、安定した回転を得ることが可能です。
②ガソリンエンジンの搭載方法
ガソリンエンジンを機体に搭載する場合には、機体の振動対策とスパークプラグによるノイズ対策が必要です。ガソリンエンジンはエンジン自体の振動が大きく、その振動対策についてはエンジンを固定する防火壁などマウント部分をグラスファイバーなどで補強し、フローティングマウントなどはあえて使用せず、防火壁に直接ガッチリと固定して、機体全体で振動を吸収するように取り付けます。これは、機体やエンジンによってさまざまですが、回転数によってエンジン自体が大きく振動し、カウリングなどに接触していろいろな弊害が起きる可能性があるためです。 ガソリンエンジンを搭載した機体では、特に気を付けなければならないことは各部のボルトの緩みとサーボリード線など配線の固定部分です。ボルトの緩みに関しては、ネジロック剤などを使用することと、毎飛行後に各部の点検を確実におこなうことが重要です。機内の配線に関しては、胴枠に開けた穴を通す貫通部などで配線を保護するための配慮が必要であり、貫通穴のバリを取り除き、ゴム製グロメットなどを使用すると確実だ。最近のプロポは性能が高く、比較的ノイズにも強いものとなっていますが、スパークプラグによるノイズ対策として受信機を取り付ける位置をエンジンからなるべく遠ざけるようにします。さらに長いリード線には、中間にフェライトコアなどを取り付けることが有効です。
ガソリンエンジンの機体への取り付けは、充分に補強した防火壁に直接ガッチリと固定して、機体全体で振動を吸収するように取り付けます。
③タンクと燃料の配管について 
ガソリンエンジンには、その燃料としてオイルを混ぜた混合ガソリンを使用します。アルコールを主体としたグローエンジンに使用する燃料とガソリンとでは、耐油性について違いがありますので、燃料タンクやエンジンへの配管に使用する燃料パイプについてはガソリンエンジン専用のものが必要となります。グローエンジン用のものはガソリンに対しては非常に弱く、もし間違って使用した場合には短時間で侵され膨潤してしまいます。したがって、ガソリンエンジンを搭載した機体の配管には、タイゴンやニトリルゴム、ビニールチューブなど、ガソリンに耐性のあるものを使用します。通常の燃料タンク本体のポリエチレンはそのままでも問題なく、キャップ部分のアルミパイプを貫通させるゴムや、タンク内のオモリへと繋がる取り出し用チューブには、ニトリルゴム製のガソリン専用のものに交換しましょう。 また、これらは時間の経過とともにチューブが硬くなり、燃料漏れや接続部から抜ける可能性があるため、接続部は結束バンドなどで固定して抜け止め処理をするとともに、チューブを半年から1年おきに点検または交換すると安心です。 なお、ガソリンエンジンはグローエンジンに比べて燃費が良いため、機体に搭載する燃料タンクの大きさは、グローエンジン機の約3分の2程度の大きさで済みます。30ccクラスの機体で320~380cc、50ccクラスの機体で550~750cc程度のもので充分に楽しむことができるでしょう。
機体に搭載されている燃料タンク。燃料タンクから伸びる配管については、ガソリン専用の耐油性のあるものを使用します。
④混合ガソリンの作り方
燃料となるガソリンを用意したら、小分け用の3L~5L程度の携行缶に計量したガソリンを入れ、用意した2ストロークオイルのメーカー指定の配合比となるように計算し、2ストロークオイルをメスシリンダーなどで計量します。配合比は体積比で表示され、たとえば、40:1の指定であれば、ガソリン1リットルに対してオイル25ccを、25:1であれば40ccを計量する。計量したオイルを、小分けした携行缶に入れ、よく振って撹拌する。1リットルに対するオイルの量を、配合比ごとに表にしておき、工具箱に入れておくと便利です。 なお、混合ガソリンを作る際や飛行場でガソリンエンジン機を飛ばす際は必ず消化器を近くに用意して万が一に備えるようにしましょう。
O.S.で推奨しているゼノア製のエンジンオイル。これをエンジン指定の割合で混合して混合ガソリンを作ります。
⑤ガソリンエンジンの始動と調整について
ガソリンエンジンの始動は、チョークにより適切な混合気さえ呼び込めれば、スパークプラグの確実な点火によって、数回フリップするだけで比較的簡単に始動することが可能です。なお、フリップする際は素手ではなく、必ずセーフティスティックかエンジンスターターを使うようにしてください。ガソリンエンジンの始動方法は、イグニッションスイッチをONの状態でチョークバルブを閉め、スロットルを最スローから1/4程度開けた状態で爆発音がするまでフリップし、燃料が廻って爆発音がしたところでチョークバルブを開け、スロットルを最スローとして数回フリップして始動させます。 ガソリンエンジン始動後の調整については、キャブレターに付いているローとハイの2つのニードルで調整します。ローニードルは低速から中速域の混合気の濃度を調整し、地上でエンジンの吹き上がり状態を見ながら調整し、ハイニードルは高速域の混合気の濃度を調整するもので、最終的には上空での機体姿勢の変化による回転の変化を見ながら調整します。 ローおよびハイの2つのニードル調整方法は、エンジンの取扱説明書に記載されている方法でおこなうようにしてください。また、ガソリンエンジンのブレークインは、基本的にはグローエンジンのように極端に濃い状態で回したり、地上でのブレークインは必要ありません。
ガソリンエンジンは、チョークにより適切な混合気さえ呼び込めれば、スパークプラグの確実な点火によって、数回フリップするだけで簡単に始動します。その際は必ず写真のようにセーフティスティックかエンジンスターターを使うようにしてください。
③まとめ
今回はラジコン飛行機に搭載するガソリンエンジンについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?ガソリンエンジンはグローエンジンと比べてもさまざまなメリットがあり、フライヤーならば一度は使ってみたいエンジンのひとつです。この記事を読んでガソリンエンジンに興味を持たれたら、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

ガソリンエンジンはグローエンジンとは異なったさまざまな魅力があります。ぜひ一度、ガソリンエンジンで愛機を飛ばしてみてはいかがでしょうか?

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