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ホーム  O.S.WEB MAGZINE Vol.49 魅力溢れるヘリ用ガソリンエンジンの メリットと使用の注意点

O.S.WEB MAGAZINE Vol.49

2022 September.

ガソリンエンジンでRCヘリを飛ばそう!


今回は、ヘリ用ガソリンエンジンについて紹介していきたいと思います。ヘリ用のガソリンエンジンはそのラインナップこそ少ないものの、グローや電動とは違った魅力やメリットがあり、楽しんでいるフライヤーも多くいらっしゃいます。そこで、このコーナーではこれからヘリ用ガソリンエンジンを楽しもうとしているフライヤーが知りたい、ヘリ用ガソリンエンジンを楽しむポイントや注意点について、O.S.のベテランヘリフライヤー高橋幸一がお答えしていきたいと思います。

今回、ヘリ用ガソリンエンジンについて答えてくれたのは、本誌でもお馴染み、ベテランヘリフライヤーで、O.S.所属の高橋幸一。

編集部:まず、ヘリ用ガソリンエンジンのメリットを教えてください。
高橋:まずは燃費の良さでしょう。どこでも調達できますし、何よりも燃料そのものが安く、長時間飛行できますのでホバリングの練習に最適です。実際に使っていただくと分かると思いますが、いくら飛ばしても全然燃料が減らないような感覚があります。正直、パワーはグローエンジンに敵いませんが、ホバリング練習や静演技の練習をじっくりおこなう人には最適なエンジンなのではないでしょうか。また、始動用具もスターターさえあればいいので、グローよりも手軽に楽しむことができます。こういったところも魅力でしょう。他では、グローエンジンと違って機体が汚れないのは大きなメリットですね。グローエンジンですと、飛行後はどうしても機体がベトベトになってしまいますが、ガソリンエンジンの場合は排気がかかっていてもサラっとしていますので、簡単に拭き取るだけで済みます。排気自体も少ないので、機体をしっかりと視認することができますし、何より煙たくないのがフライヤーにはありがたいですね。

O.S.から発売されているヘリ用ガソリンエンジン「GT15HZII」。ガソリンエンジンの魅力が詰まったものとなっています。

編集部:グローエンジンと比較して異なる部分はありますか?
高橋:まず、エンジンサウンドはグローよりやや甲高いものになっていますが、飛ばしていて特に気になるようなものではありません。また、スロットルに対するレスポンスはやや鈍感にして飛ばすことが多いです。スロットルカーブは横一直線にして、ピッチで飛ばすのがガソリンエンジンになりますので、そのフィーリングはグローとはまた異なったものとなっています。上空飛行をおこなう際は、必ずアイドルアップの設定で飛ばさないと、濃い部分を使って飛ばすことになってしまうので注意が必要です。それ以外ですと、ガソリンエンジンはグローエンジンと比べてエンジン自体が重いので、飛ばしてみるとパワーがないと感じるかもしれません。しかし、その分座りは良く、安定性が高いのが特徴となります。このあたりは好みによって使い分けていただくのがいいでしょう。

ガソリンエンジン用のプラグ。プラグヒートがいらない分、始動用具が少ないのはガソリンエンジンのメリットとなっています。

ガソリンエンジン特有の装備であるイグナイター。機体に搭載する際は受信機から離して取り付けるようにしましょう。

編集部:どういった方がガソリンエンジンを使っているのでしょうか?
高橋:RCヘリ歴が長く、グローエンジンに飽きたので違うパワーソースを使ってみたいと考える方が多いようですね。ただ、ガソリンエンジンは決してベテランフライヤーだけが楽しめるものではないので、中級者の方にも積極的に楽しんでもらいたいです。他ではグローエンジンの燃料が高いと感じ、コストパフォーマンスに優れたガソリンエンジンに転向してくる方もいます。ガソリンエンジンの燃費の良さはグローエンジンとは比べ物にならないものですので、この点は我々としても特にアピールしたいところですね。

プラグキャップが振動で揺れたり、中のシリコンが損傷しているとそこからノイズが漏れてノーコンの原因となる場合があるので注意が必要です。

エンジンが始動しない場合、イグナイターの不調以外に回転センサーの断線も原因となる場合があります。

編集部:ガソリンエンジンを取り扱う際の注意点を教えてください。
高橋:エンジンの温度管理は充分におこなってください。ガソリンエンジンはグローエンジンと比べて燃焼温度が高いので、オーバーヒートには要注意です。特に真夏の季節はオーバーヒートしやすいですので、使用には充分注意して、小型のファンなどでしっかりと冷却するようにしていただきたいと思います。グローエンジンはニードルを開ければ燃料で冷やすことができますが、ガソリンエンジンはニードルを開けていっても一度温度が上がってしまうとなかなか下がりませんので、あまりに暑い日などは使用を避けたほうがいいでしょう。特にホバリング時は温度が高くなりがちです。上空では風が当たるので冷却が進みますが、ホバリングではなかなかエンジン温度が下がらないので、ある程度飛ばしたら地上でしっかり冷却して、また飛ばすようにした方がいいでしょう。

大きなシリンダーヘッドが特徴のヘリ用ガソリンエンジン。グローエンジンと比較して燃焼温度が高いので、オーバーヒートには充分に注意しましょう。

編集部:他に注意点はありますか?
高橋:エンジンを搭載する際に、イグナイターと受信機はできるだけ距離を離して取り付けるようにしてください。また、プラグキャップは振動で揺れないようにしっかりと取り付けることも大切です。揺れるとそこからノイズが出てしまい、最悪ノーコンになる恐れがあります。プラグキャップ内にあるシリコンが破損していると電気が漏れますので、もし切れ目があったりしたらすぐに交換してください。他では回転センサーの断線も要注意です。エンジンがかからない場合にイグナイターの不調を疑う方は多いですが、意外と回転センサーの断線を疑う方は少なく、修理に出していただく際もイグナイターだけ送付される方がいらっしゃいますが、一緒にエンジンや回転センサーも送っていただけると原因の究明が早くなります。

編集部:ありがとうございました。

燃費の良さが魅力のガソリンエンジン。いくら飛ばしても燃料が少なく、非常にコストパフォーマンスに優れたエンジンとなっています。

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