FAQ

マイナートラブルを克服する

エンジンR/Cカーを実際に楽しむとなると、その構造や扱い方、メンテナンス方法が分かっていても、どうしても自分では原因の分からないトラブルに遭遇するはず。そんな時はこのトラブルシューティングチャートを利用して、トラブル脱出からの参考にお役立て下さい。



 エンジンが始動しない


Check 1   タンクに燃料は入っているか?
燃料がなければエンジンは回らない。そこでまずは燃料タンクをチェック。燃料はもちろんR/Cエンジン用のグロー燃料を使用すること。種類がわからなければ、ショップでGPツーリング用と言って購入するのがいいだろう。

Check 2   燃料パイプが外れていないか?(穴が開いていないか)
燃料チューブはキャブレターのニップル、そして燃料タンクに確実に差し込むこと。もちろんフィルターがあればその前後もチェックが必要だ。またチューブが途中で折れ曲がって、燃料の流れを妨げていないかも注意したい。

Check 3   燃料がキャブレターまで来ているか?
燃料タンクのチョークボタンを押して、燃料がキャブレターまで到達しているかをチェック。マフラーやキャブレターを指で塞いでクランキングする場合は、必ずスロットルが開いていることをチェックすること。

Check 4   ニードルは適量分、開いているか?
ニードルが全閉に締め込まれていないか?あるいは逆に開けすぎていないか?ニードルは全閉状態から3~4回転ほど反時計方向に回して開いておく。その後、燃料をキャブレターまで送ってから、始動へと移ること。

Check 5   ゴミが詰まっていないか?
燃料缶からタンクへの給油は丁寧に行っているか?ゴミやホコリが燃料タンク内に侵入すると、燃料タンクのパイプの屈曲部などが詰まってしまう。またフィルター内のゴミのツマリも定期的にチェックしたい。

Check 6   スロットルは開いているか?
エンジンの始動前に必ずプロポのスイッチを入れておこう。そして最スローより少しだけスロットルを開けた位置にまでキャブレターを開いておく。またリンケージミスでスロットルが開いていない場合もあるので注意すること。

Check 7   スロー絞りが全閉になっていないか?
スロー絞り機構付キャブレターのアイドル調整ねじを、全閉方向に閉め込んでいないか?キャブレターの設定が分からなくなってしまったら、まずは説明書に従って初期設定に戻し、エンジン始動後に調整を加えよう。

Check 8   キャブがじゃぶ漬け状態ではないか?
オーバーチョークで、燃料がキャブから溢れていないか?そんな時はニードルをいったん絞り、キャブのインテークが地面を向くようR/Cカーごと逆さまにして、余分な燃料を排出し、キャブレター内をドライにする。

Check 9   シリンダー内に燃料が進入していないか?
シリンダー内にも燃料が入ったら、リコイルが引けなくなってしまう。この状態で無理にリコイルを引くとエンジンを壊してしまうことになる。プラグを外しクランキングして燃料を排出し、プラグも乾かしてから使用する。

Check 10   プラグヒート電源は大丈夫?
始動用バッテリーの容量が適切かどうかをチェックすること。一番簡単なチェックは予備のプラグをつないでみて、プラグがキチンと赤熱しているかどうかで判断すること。ポケットブースターなどの充電ができているかも要注意。

Check 11   ブースターケーブルは正常に機能しているか?
ケーブルの断線の可能性がある。またプラグを接続するソケットに泥や異物が詰まっていて、接点がプラグに触れていなかたというトラブルもある。特に使い古したケーブルや、泥の多いフィールドでは要注意。

Check 12   プラグは切れていないか?
プラグは消耗品。走行前には必ずチェックを心掛けたい。フィラメントが白くくすんでいたら寿命間近。走行中にエンストしないよう、プラグは早め早めの交換がおすすめ。また、定期的にチェックしておくにこしたことはないだろう。

Check 13   リコイルスターターは正常に作動するか?
リコイルスターターを引っ張っても、何の抵抗もない場合、内部でシャフトが空回りしている可能性がある。こんな時は、リコイルのロープのすき間から、クリーナースプレーを注入すると、空回りが直る。

Check 14   フライホイール等の取り付けは万全か? 
スターターモーターを使用する場合、フライホイールのロックナットが緩んでいると、コンプレッションに負けて空回りを始め、始動不可能となってしまいます。またクラッチシュー関連パーツがはずれて、回転を阻害する可能性もある。



 すぐにエンストする


Check 1   燃料の量は十分か?
タンクの燃料が残り少しになっていたら、すぐに底をついてしまう。4ストエンジンなら省燃費だから少しはランニングタイムが長いが、2ストなら燃費は良くない。タンクにはいつもたっぷりと燃料を満たしておくように心掛けよう。

Check 2   適合プラグを使っているか?
プラグの選びはエンジンの説明書に推奨されているものを使うのが基本。極端に熱価の違うプラグを使用すると、スロットル操作をしたとたんにエンストしたり、アイドリングが続かない、プラグが切れるなどのトラブルにつながる。

Check 3   オーバーヒートのおそれはないか?
ニードルを絞りすぎ混合気を薄くしてしまうと、燃料による冷却効果が下がり、エンジンはオーバーヒートしてしまう。最悪の場合はシリンダー内の焼き付きなんて事になりかねないので、ニードルセッティングは慎重に行いたい。

Check 4   エンジン各部に緩みやヒビはないか?
エンジンのヘッドやキャブのボトルがゆるんで、圧縮漏れや吸気漏れは起こっていないだろうか?確実な締め付けと、その際の片締めや締め忘れのないよう注意したい。さらに各パーツがこわれていないかも同時にチェックすること。

Check 5   燃料タンクの固定は適切か?
燃料タンクが振動に共振して、内部の燃料が異常に泡立つと、まれにエンストを併発することがある。これは送油チューブに大量に空気が混じってしまうことが原因である。きちんとした燃料タンクの取り付けを実行したい。

Check 6   始動後すぐに、エンストすることはないか?
始動後は、エンジンが掛かったからといってプラグヒートをすぐ切らずに、回転が安定するまでそのままにしておこう。冷え切ったエンジンの最初の始動直後は、通電を止めたとたんにストンとエンジンが止まることがある。

Check 7   燃料が燃料チューブを異常なく通っているか?
燃料系のゴミ詰まりが、安定した回転を妨げることもある。経路の掃除を定期的にキチンと行っておくことが重要である。高回転タイプのエンジンで、ここぞの時の絞り気味のニードルセット時にこれが起こると、オーバーヒートの危険性もあり。



 アイドリングが安定しない


Check 1   適切なプラグを使っているか?
エンジンとプラグの相性が悪いと安定した燃焼状態を作りだすことができず、そのままアイドリングに影響が出る。エンジンの取り扱い説明書に書かれている推奨ナンバーのプラグを使用すること。

Check 2   燃料の相性は合っているか?
プラグ同様、燃料にも相性があるが、プラグほどシビアではない。しかし、異常にニトロ含有率の高いものや、オイル含有量 が少ないものなど、特殊な用途のグロー燃料を使用すると、安定したアイドリングは望めない。

Check 3   適正な負荷をかけているか?
フライホイールが異常に軽い場合は、アイドリングが不安定になる場合がある。またロックナットの緩み等で、シャフトや1次減速ギアが空回り状態になってしまった時にも、アイドリングの安定は望めないので要チェックだ。

Check 4   ニードルセットは万全か?
ニードルのセットは、最高回転だけでは十分ではない。最高回転でのセッティングが決まったら、スロットル操作をしてどんな回転域でも安定してエンジンが回転していることを確認することが重要だ。

Check 5   スロー絞りを調整したか?
スロー絞り機構付キャブの場合は、さらに慎重にキャブレターセッティングを施す。安定したアイドリングと、スロットルに連動したレスポンス向上が主眼のメカニズムだけに、これがうまく行っていないとスロー調整式の意味がない。

Check 6   マフラーが外れていないか?
マフラーが外れていたりガタがある場合、特にチューンドパイプ装着エンジンでは、マフラーが外れた場合、アイドリングが不安定となる。ノーマルマフラーでも同じような症状が発生することがあるので、確実な装着をすること。



 最高回転数が思い通りにでない


Check 1   ニードルセットがキチンとできているか?
ニードルのセットは、始動後回転が安定したところで、まず最高回転を出すようにセッティングする。始動したままだと最適の空燃比になっておらず、いくらスロットルを開けたところで最高回転数には達しないのである。

Check 2   ブレークインは十分に行ったか?
ナラシ運転を行わなくてもエンジンは回ってくれるが、パフォーマンスを追及するなら、ブレイクイン、もしくはランニングインはキッチリ行っておきたい。この過程を入念に行っておけば、最高回転を出すまでの時間は短くなる。

Check 3   プラグは適切か?
各エンジンごとの推奨プラグの使用が前提だが、2ストに4スト用や、その逆を使用することで、レスポンスも最高回転も共に上がることもある。要はそのプラグの特性とエンジンとの相性がどうかということが大切なのである。

Check 4   リンケージミスはないか?
リンケージミスで、送信機のスロットルをハイエンドにしていても、キャブが途中で止まっていることがある。R/Cカーの組み立て時や走行前における、スロットルリンケージの確認は怠ってはいけない。

Check 5   マフラーの接続は確実か?
マフラーやマニホールドがはずれていたり、チューンドパイプ仕様の場合の設定長が間違っていると、ニードルセット位置は異なってくる。マニホールドのセッティングミスは、なかなか原因が判らず、判明しにくいものだ。

Check 6   負荷は適切か?
ロードが重すぎるギアレシオでは、エンジンのトルクバンド及びパワーバンドが使用条件からはずれてしまい、本来の性能の持ち味は活かせない。おいしい回転数を利用して、適切な負荷環境下で、そのエンジン本来の性能を引き出してやろう。

Check 7   燃料に異常はないか? 
またエンジンの特性を無視したような、特殊な配合の燃料を使用してはいないだろうか。基本となるエンジンと燃料といったいつものベストな組み合わせを基準に、少しニトロの含有量が多い燃料を試してみるなどしたい。



 レスポンスが悪い


Check 1   プラグは合っているか?
熱価が適応値でないと、安定した回転が続かない。また劣化したプラグは始動性が悪いばかりでなく、スロットルレスポンスにも影響を及ぼす部分なので、定期的にプラグの状態をチェックし、劣化しているようであれば、新品に交換したい。

Check 2   ニードルセットは適切か?
ニードルセットは最高回転に合わせることが基本だが、セッティングが決まったらスロットルのフリッピング等で、レスポンスもチェックしておきたい。特にアイドル調整ねじは低回転域でのレスポンスを大きく左右する。

Check 3   プロポセッティングは万全か?
エキスポネンシャル機能付のプロポを使用している場合、その設定にミスがあるとスティックやトリガー操作に対する回転数変化の感覚がしっくりしない。プロポのセッティング内容を念入りにチェックしておきたい。

Check 4   リンケージは正確か?
R/Cカーのスロットルコントロールサーボは、ブレーキと併用するため、そのリンケージとの干渉がないかをチェックしてみる。スロットルの操作通りに、キャブのレバーが動くようにしておくこと。

Check 5   ニードルチェックは走らせながら行っているか?
ニードルセットは始動直後だけでなく、少し走らせては手元に戻して再び、といった反復で詰めていくのがセオリー。最初のポジションのままでは温度上昇にともない確実にずれてくるはず。こまめなセッティングを行うようにしたい。

Check 6   マニホールドやマフラーの接続は確実か?
カー用エンジンは高回転なだけに、吸排気の脈動に同調した長さのマニホールド&チューンドマフラーでないと、本来の性能は出しにくい。標準のマフラーを使用する時も、取り付け状態には気を配りたい。

Check 7   ギアレシオは適切か? 
過大なロードが加わるような、極端なハイギヤード化はエンジンを痛めつけるだけで、おいしいパワー&トルクバンド帯を活用できないでいる。まずは標準レシオにミッションをセットしてから次の段階に移りたい。






Copyright (c) All Rights Reserved.