難しいことは一切なし!GPカーを楽しもう! 第2章:ブレークイン編
①エンジン慣らし運転(ブレークイン)とは
GPカーの魅力と基礎知識を紹介していく本連載。第1章ではエンジン始動について紹介しましたが、今回は主にエンジンのパワーを引き出すためのエンジン慣らし(ブレークイン)の方法とニードル調整について見ていきましょう。早速ですが、模型用エンジンはなぜ慣らし運転が必要なのかご存知でしょうか?新品エンジンのプラグを外してフライホイルを反時計回りに回転させると、上死点手前で急に固くなります。このラジコン用エンジンはピストンリングを持たず、ピストンとシリンダーライナー内壁で圧縮を保つため、シリンダー内径は上死点に向かって狭くなるようにテーパー形状になっており、常温では上死点手前からピストンとのクリアランスがほぼゼロになり抵抗を感じますが、一定の熱が加わるとテーパーが広がり適度なクリアランスになるように設計されています。
このピストンとシリンダーやその他の金属部品(クランクピンとコンロッドメタルなど)の擦り合わせをおこない、エンジンパフォーマンスを十分に引き出すために慣らし運転が必要となるのです。この慣らし運転は非常に重要なものですので、面倒臭がらず必ずおこなうようにしましょう。


②ブレークインの方法
ブレークインは、実際にエンジンをマシンに搭載し、実走で徐々にニードルを絞りエンジン温度を上げながらおこないます。まずはエンジン各部に油膜切れを防止するため、濃いニードル設定で開始しますが、ある程度温度を上げた状態でおこなうことが必要です。常温付近では、うまく擦り合わせができなかったり、混合燃料が分離せず、不完全燃焼によりオイルがゲル化し、逆に各部を過摩耗させてしまうことがありますの注意しましょう。
③ブレークインをおこなってみよう!







③キャブレター調整について
ここからはキャブレターの調整について見ていきます。【ニードルバルブ】
キャブレター調整をする際は、必ずブレークインが終了してからおこなってください。ニードルバルブを閉めるにつれて、直線での速度も次第に速くなってきます。最高の速度が得られるところがニードルバルブの最良位置です。ニードルバルブを最良の位置から閉め過ぎると、エンジンの排気ガスの色がほとんど見えなかったり、車の速度が途中から鈍ったりします。そのような傾向が見られた際は閉め過ぎですので、ニードルバルブを約15度程度開けてください。【メータリングニードル】
車を約5秒程度アイドリング運転で停止させ、スロットルを全開にしてみます。この時、排気口から白煙がを多く出しながら濁った音を出して回転がもたついて上昇するようでしたら燃料が多過ぎる状態ですので、メータリングニードルを15度閉めるようにしてください。スロットルを全開にした際に止まってしまったり、白煙がほとんど出なかったりする際は燃料が少な過ぎる状態ですので、逆にメータリングニードルを15度開けてください。④まとめ
