O.S.WEB MAGAZINE Vol.24 2020 July-Aug.

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難しいことは一切なし!GPカーを楽しもう! 第1章:エンジン始動編

空用ガソリンエンジンユーザーに朗報!KRG-01

難しいことは一切なし!GPカーを楽しもう! 第1章:エンジン始動編

長年、マニアの心を捉えて離さないGPカー。ダイナミックな走りとマニア心をくすぐるエンジンサウンドは、GPカーの醍醐味であり、多くのファンを魅了し続けています。 今回はそんなGPカーの魅力と基礎的な知識について数回にわけて紹介していきたいと思います。そんな第1回のテーマは「エンジン始動」。ここではGPカー用エンジンの正しい始動方法について紹介していきます。一度覚えてしまえば非常に簡単ですので、ぜひこれを機に正しいエンジン始動について覚えて行きましょう!

エンジンが始動する仕組みを知る

まずは、エンジンを始動させる前に、なぜエンジンは始動するのか、その仕組みを理解しておきましょう。 エンジン始動の原理としては実車と同様で、強制的にクランキングさせてピストンで混合気を圧縮し、点火、爆発させています。ピストンが降下することによってクランクケース内を加圧し、内部の混合気が押し出される形で掃気ポートから燃焼室に合流し再び弾みでピストンが上昇する事で燃焼室内のポートが塞がれ、密閉された状態の混合気がピストンによって圧縮されます。圧縮された混合気はプラグの余熱によって点火され、爆発します。この時、新しい混合気がクランクシャフトの吸入口から流出します。爆発の勢いでピストンは再び降下し、クランクケース内が過熱され新しい混合気が燃焼室へ流れ込み排気ガスが外へ押し出される仕組みとなっています。これが主な模型用エンジンの一連の仕組みとなっています。ではこれをアタマの中に入れて頂き、実際にエンジンを始動してみましょう! 主な模型用エンジンの仕組み。イラストは2サイクルエンジンのもので、4サイクルエンジンやガソリンエンジンになると仕組みが変わってきます。

エンジン始動までに用意するもの 

早速、エンジンの搭載が完了したGPツーリングカーのエンジンを始動させてみましょう。まず、始動する前に、燃料、燃料ポンプ、プラグブースター、スターターボックス、送信機を準備しましょう。今回、エンジンはO.S.「MAX-12TG ver.3」燃料は「NITRO-Xオンロード25」を使用してエンジンを始動させてみることにします。なお、燃料は市販のエンジンカー燃料であれば問題なく使用できますが、慣れるまではニトロ25%程度のものをチョイスすることで、エンジンの取り扱いがとても簡単になります。また、ここで注意したいのはプラグブースターの電池です。これが充電されておらず、サーキットで始動できなかった…という経験をした方も多いはずです。十分充電できているか、常に確認しておきましょう。   GPカーのエンジンを始動するために必要なアイテムたち。燃料、燃料ポンプ、プラグブースター、スターターボックス、送信機、そしてエンジンを搭載したGPカーとなります。 GPカー用の定番エンジンであるO.S.「MAX-12TG Ver.3」(¥20,300 1AK00) 燃料はO.S.「NITRO-X オンロード25」(4L ¥4,900 79732420)を使用します。

エンジン始動の手順

それでは実際にエンジンを始動させてみましょう!ここからは手順を追って説明していきたいと思います。
1:燃料を入れましょう
燃料ポンプを使用して、燃料缶から車体に搭載されているタンクの中に燃料を入れます。この際、燃料がメカ類にかからないように注意して入れるようにしましょう。また、走行中に燃料がこぼれないように、しっかりとタンクの蓋を閉めるようにします。 燃料ポンプを使用して燃料をポンプの中に入れていきます。 燃料ポンプを使用してタンクに注入します。この際、燃料がメカ類にかからないように注意して入れるようにしましょう。 燃料がこぼれないようにしっかりとタンクの蓋を閉めてください。
2:チョークをしましょう
受信機のスイッチは「OFF」、キャブレターはアイドリング位置になっていることを確認してください。燃料をエンジンの中に呼び込み始動させやすくするために「チョーク」という作業をおこないます。この際、プラグブースターは外しておいて下さい。マフラーが冷えた状態を確認し、先端をふさぎながら2~3秒程度スターターボックスに車を押し付けてチョークします。
ここで注意したい点は2つあります。ひとつは、チョークをしすぎると内部に燃料が入りすぎた「オーバーチョーク」という状態になり、エンジンがかかりづらくなることがあるので注意してください。もうひとつは、エンジンが硬いと回りきらないことがあるため、スターターが回ってから車体を押し付けられるように、スターターをしっかりと調整することでうまくエンジンスタートできるようになります。  マフラーの先端をふさぎ2~3秒程度スターターボックスに車体を押し付ける。
3:いよいよエンジン始動です。
送信機と受信機のスイッチを「ON」、キャブレターはアイドリング位置になっていることを確認してください。プラグブースターをエンジンのプラグに差し込み通電させ、先ほどと同じ要領でスターターボックスに車体を押し付けます。  エンジンスタートの際、スロットルトリガーを数回わずかに握る(あおる)とうまく始動できます。

これでエンジンが始動します。一度でかからなかった場合は上記のプロセスを再度試してください。それでもエンジンがかからなかった場合は、エンジンを疑うより、まずはじめにプラグが切れていないか、もしくは、プラグブースターの電池が弱っていないかを確認してみて下さい。混合気が濃い場合もエンジンがかからなかったり、かかってもすぐに止まってしまうことが多いです。これは生の燃料がプラグの火を消してしまうため、最初はエンジンが始動してもすぐに止まってしまうからです。対処法としてはニードルを絞って濃い状態を改善してやる必要があります。夏場は特に濃くなりやすいので、このパターンでエンジンが始動しなかったり、始動してもすぐに止まってしまうという状況を見ることが多いです。それでもどうしてもエンジンが始動しない場合は、O.S.エンジンならば弊社まで、他社のエンジンでしたらそのメーカーまでお問い合わせください。

 エンジンが始動しない場合、エンジンの故障よりもまずはプラグが切れていないか、もしくは、プラグブースターの電池が弱っていないかを疑ってみましょう。

まとめ

今回はGPカーのエンジン始動について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?一度覚えてしまえば、ずっと使える知識ですし、スムーズにエンジンが始動すると、非常に気持ち良く、その後の走りも軽快なものになることでしょう。 この連載では、このようにGPカーを楽しむ上でぜひ知っておきたい知識を紹介していきたいと思います。
※次回はニードルセッティング等のエンジン調整編を掲載予定です。
※ページ内表記価格は税抜です。
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