RCヘリフライヤー必見! ヘリ用エンジンの知っておきたい基礎知識

①ヘリ用エンジンとグロー燃料の関係性
燃料を変えたらニードル調整を!
グローエンジンの燃料として使用されているグロー燃料。その主成分はメタノール、ニトロメタン(ニトロ)、オイル、添加剤で構成されています。引火性が高く、さらに揮発性が高いメタノールを主成分として、ニトロを加えることで混合気を濃いめにすることができ、結果的に多くの燃料をエンジンに注入することができるためパワーが出るようにすることができます。 また、オイルは燃料内に入れておくことで、エンジン内の各部が円滑に動くようにするために入っています。このような成分でできているグロー燃料はその種類によって飛行機用やヘリ用、RCカー用といったジャンルで分かれており、さらにニトロとオイルの比率を変えたものや、オイルの種類や粘度を変更したものなどがラインナップされており、自分のフライトスタイルに応じたグロー燃料を使うことがオススメです。 さて、グロー燃料の種類を変えた場合、エンジンのセッティングはどうすればいいのでしょうか? 答えから申しますと、燃料を変更したら必ずニードル調整をおこなわなくてはいけません。これはオイルの成分が変わるためで、実際に燃料を変えてエンジンを始動してみると、それまでアタリの出ていたエンジンでもまったく調子が狂っていることがあります。グロー燃料の選び方
グロー燃料の選び方はいくつかありますが、RCヘリの初心者ならばスタンダードなものを使うのが良いでしょう。まだ燃料の違いによる性能の差はあまり実感できないでしょうし、何よりスタンダードな燃料は扱いやすくできています。そしてリーズナブルな価格に設定しているため、気兼ねなく練習することができます。 一方で、飛ばしていてもう少しパワーが欲しいと思うようになることもあるでしょう。そういった際はニトロが多く入ったパワータイプの燃料を使うことになります。ニトロが多いと混合気が濃い目で飛ばすことができ、さらにパワーを出すことができます。 また、30クラスのような小型エンジンの場合、高ニトロの燃料を使うとパワーを得ることができ、混合気を濃い状態で使用する事により、パワーを出しつつ、エンジンの温度を下げ、オーバーヒート対策となるため、意図的にニトロが多めの燃料を使う人もいらっしゃいます。
では、高ニトロの燃料は万能なのかというとデメリットもあります。まずは価格がスタンダードなタイプの燃料に比べてやや高くなります。ホバリング練習などで燃料を多く使用する初心者の方ですと若干コストがかさんでしまうことになります。また、ニトロが多いため硝酸ガスが出やすく、エンジン内部が錆やすくなる傾向にありますので、飛行後に防錆剤を注入し、定期的にメンテナンスを施す必要があります。これはどんな燃料とエンジンにも言えることですが、より注意してメンテナンスした方が良いというものです。 グロー燃料を変えてみて飛ばし比べをするのも面白く、その都度ニードル設定をすることであらゆる場面や燃料に対応できるようになることを考えますと、ひとつの燃料に固執せず、柔軟にさまざまな燃料を試してみるのも良いでしょう。 O.S.ではRCヘリだけでなく、RC飛行機用、そしてRCカー用の純正グローエンジン燃料として「NITRO-X(ナイトロックス)」シリーズを提供させて頂いています。スタンダードなものからハイパワーのものまで、さまざまなフライトスタイルに対応した豊富なラインナップを用意していますので、ぜひご利用ください。
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②エンジンが始動しない場合に疑うべきポイント
パターン①:プラグが壊れている
グローエンジンを始動する際に必ず必要なのがグロープラグの燃焼です。このプラグが断線していてヒートできず、エンジンが始動しないというパターンはたまに見かけます。プラグは消耗品ですので、定期的に確認して、断線しているようならば新品に交換するようにしてください。断線しているかは目視でも確認できますが細かくて見づらいので、プラグヒートをすることで赤く燃えるかを確認する方法がオススメです。常に工具箱の中に予備のプラグをストックしておくようにしましょう。
パターン②:プラグヒートが適切にされていない
パターン③:混合気が濃い
混合気が濃い場合もエンジンがかからなかったり、かかってもすぐに止まってしまうことが多いです。これは生の燃料がプラグの火を消してしまうため、最初はエンジンが始動してもすぐに止まってしまうからです。対処法としてはニードルを絞って濃い状態を改善してやる必要があります。夏場は特に濃くなりやすいので、このパターンでエンジンが始動しなかったり、始動してもすぐに止まってしまうという状況を見ることが多いです。パターン④:ニードルが開いていない

パターン⑤:燃料がエンジンに行っていない。
グローエンジンはグロー燃料が届いていないと決してエンジンが始動することはありません。エンジンが始動しない場合、まずはエンジンに燃料が届いているか確認することが大切です。よく燃料ストッパーを使っている方がいらっしゃいますが、ストッパーが閉まっていると当然燃料はエンジンに届かず、いくらスターターをかけてもエンジンが始動することはありません。また、燃料チューブのフィルターにゴミが詰まっていて、燃料が供給されないという可能性もありますので、フィルターは一定期間で新品に交換することが大切です。パターン⑥:スターターのパワーが足りない
特に大きなサイズのエンジンを始動する際に見かけるのが、エンジンスターターのパワーが足りず、エンジンを回しきれなくてスタートさせることができないというものです。90クラスのエンジンを取り扱うならば、ダイレクトドライブでリポのパワーを持つエンジンスターターがオススメです。特にエンジンの燃料供給システムが加圧式の場合は、パワーのあるエンジンスターターの使用が必須です。排気量の大きなエンジンをスタートさせるには、ダイレクトドライブでパワーのあるエンジンスターターがオススメです。
パターン⑦:キャブレターが開いていない
エンジン機を飛ばす際、スロットルの動きに合わせてキャブレターのドラムが全開、ハーフ、アイドリング、全閉となります。エンジンスタート時はアイドリング状態にしておきますが、たまにスロットルカットを設定していてキャブレターが全閉状態でエンジンをスタート使用とする人を見かけます。キャブが閉まっていたらエンジンはいくら回しても始動しませんので、スタートする前にスロットルとサーボの動きを良くみてキャブがアイドリングになっているかを確認しましょう。パターン⑧:逆止弁が働いていない
55HZ-Rや105HZ-Rのように加圧式エンジンは燃料チューブに取り付けた逆止弁が壊れてしまったことで、燃料タンクに圧がかからず燃料が送り込まれないためエンジンがスタートしないというパターンです。これも消耗品なので、逆止弁を新品に交換した上で、圧抜き栓を抜いて空気が「プシュ」となるようならばきちんと働くようになっている証拠です。こういった消耗品に関しては、ある程度の時期が来たら交換するようにし、いつでも予備をストックするようにしておくといいでしょう。エンジンのニードル調整について
ヘリコプターエンジンのニードル調整については O.S.WEBマガジンVol.05で説明していますのでそちらをご覧ください。エンジンヘリの飛行後に必ずおこないたいこと


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