適切な手入れで長く活躍!
2ストロークグローエンジンのメンテナンス
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O.S.の中でも最も多くのラインナップを誇り、主力製品となっているのが2ストロークグローエンジンです。パワーと扱いやすさに優れた2ストロークエンジンは、模型用エンジンの主力で、小型サイズから大型の排気量を誇るものまで幅広いラインナップでユーザー様から熱い支持を集めています。
そんな2ストロークグローエンジンですが、適切かつ適度なタイミングでオーバーホールをおこなうことで、その性能を長く発揮してくれます。しばらく回していなかったエンジンを再び使う時や、何度も繰り返し使って、パワーやサウンドに異変を感じたら、エンジンをメンテナンスしてみましょう。適切なメンテナンスを施すことで、エンジンは再びかつての輝きを取り戻してくれるはずです。
そこで今回は、2ストロークグローエンジンのメンテナンスについて紹介していきたいと思います。ただし、本当に調子が悪いエンジンやメンテナンスをおこなっても症状が直らない場合は、エンジンを洗浄して下記まで送ってください。有償にて修理させていただきます。
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小川精機株式会社 OSエンジンサービス係
〒546-0003 大阪市東住吉区今川3-6-15
TEL: (06)6702-0230 FAX: (06)6704-2722
受付時間/平日 8:45~12:00、12:40~17:30
(休業日:土・日・祝)
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※エンジンの分解はご自身の責任でおこなってください。
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今回は、O.S.の2ストロークグローエンジン「MAX-46AX II」をメンテナンスしていきます。まず、プロペラナットやプロペラワッシャー、ドライブワッシャーを外します
機種によっては、ウッドラフキーを使用しております。ドライブワッシャーを外す際はキーの落下にご注意ください。
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次にキャブレターを取り外します。パッキンが本体についてこないように注意しましょう。
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プラグレンチを使ってプラグを外します。
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「シリンダーヘッドを外します。
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カバープレートを外します。
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柔らかい素材の棒などでシリンダーライナーを押し込んで外します。写真のようなナイロン製の棒があると便利です。
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コンロッドを外します。
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ナイロンハンマーを使ってクランクシャフトを外します。
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バラバラになったO.S.「MAX-46AX II」。2ストロークエンジンは部品点数は意外と多くありません。
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焼き付いたピストン。こうなるとパワーが出なくなったり、スローで止まる、吹き上がらないといった症状が出てきます。当社に修理に出していただき交換となります
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焼き付いたシリンダーライナー。内側が焼き付いてしまっています。ピストン同様の症状が出ますので、こちらも交換が必要です。オーバーヒートによりひずむことも多い部分です。
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メンテナンスをする際は金属の部分を軽油で洗浄します。Oリングがある部品は軽油につけないようにしてください。
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錆ついたり割れて取れてしまったベアリング。アイドリングで異音がするようになります。こちらも当社に送って頂き、新品のベアリングへの交換となります。
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べアリングを交換しましたら、組み立てる際にベアリングを中心に防錆剤を各部に注入していきます。
・再び組み立てる前にピストンピンに防錆剤を注入しておきます。
・コンロッドにも数滴防錆剤を注入します。
・同様にシリンダーライナーにも防錆剤を注入します。
・シリンダーヘッド周辺にも防錆剤を注入しておきます。
O.S.SPEEDメンテナンスオイルがお勧めです。
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ベアリングを交換した際はプロペラを取り付けて軽く回転すればきちんとハマっていることになります。回らなければベアリングが浮いている状態なので、プロペラを取り付けた状態で、
クランクシャフトの先端をナイロンハンマーなどで叩いて入れてください。
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コンロッドは摩耗したり、オーバーチョークで無理に回して曲がってしまったりすることが多い部品です。分解したときに良く見て異常があれば交換するようにしましょう。
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再び組み立てる前にピストンピンに防錆剤を注入しておきます。
O.S.SPEEDメンテナンスオイルがお勧めです。
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コンロッドにも数滴防錆剤を注入します。
O.S.SPEEDメンテナンスオイルがお勧めです。
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同様にシリンダーライナーにも防錆剤を注入します。
O.S.SPEEDメンテナンスオイルがお勧めです。
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ピストンとコンロッドを入れます。
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シリンダーヘッド周辺にも防錆剤を注入しておきます。
O.S.SPEEDメンテナンスオイルがお勧めです。
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シリンダーライナーを下死点で入れます。
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カバープレートを取り付けます。
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シリンダーヘッドを取り付けます。
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プラグをプラグレンチで取り付けます。
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続いてキャブレターのメンテナンスをおこないます。メインニードルは目視で曲がっていないか、ネジが軽く動くかチェックします。曲がっているようなら交換が必要です。
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アイドリング調整ネジはドライバーで回してみて、極端に軽かったり固くて回らない場合は交換します。緩いと勝手に動いてしまいニードル設定が変わってしまいます。
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キャブレターも軽く動くかチェックします。錆びているようならば交換が必要です。
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最後にキャブレターを取り付けます。Oリングが浮かないように押さえつけて締め上げます。これで2ストロークエンジンのメンテナンスは完了です。
O.S.エンジンの歴史を網羅したO.S.ENGINE TIMELINE英文サイトに
掲載。
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1936年O.STYPE-1から最新のGF30IIまで84年にわたるO.S.エンジンの※写真を網羅した、“O.S.ENGINE TIMELINE1936-2020”。をO.S.英文サイトに掲載しました。
発売年も記載していますので。思い出の一台を見つけることができます。※(一部限定モデルを除く)
→「O.S.ENGINE TIMELINE」(英文サイト)(PDFファイル 約33MB)