2020年にアメリカで開催されるIFMAR世界選手権で勝利すべく開発された新型エンジン「R21GT」
新型エンジン「R21GT」の特徴
今回、IFMAR世界選手権用に開発されたこのエンジンは、前作「21XZ-GT」の各部を見直し、さらなるパフォーマンスアップを図っています。まず特徴として挙げられるのは、低速域からのレスポンスの良さです。小さなコーナーを回った後の立ち上がりの良さは、前作と比較するとその違いがハッキリと分かるほどの手応え。スロットルの付きの良さは、エキスパートユーザーになればなるほど、その秘めたポテンシャルを引き出すことができるでしょう。
また、高速域のトップスピードの伸びの良さも見逃せないポイントのひとつです。IFMAR世界選手権が開催されるアメリカはヨーロッパのサーキットのような大きなコーナーと、日本のサーキットに見られる小回りのコーナーの両方の特徴を併せ持ったサーキットが多く存在します。そんなサーキットを攻略するためには、低速域でのレスポンスの良さとともに、高速域での絶対的なトップスピードの伸びも必要となります。今回の「R21GT」では、トップスピードに対するこだわりも過去のエンジンの比ではありません。プロポから伝わるそのスピード感に酔いしれてしまうことでしょう。
低速域でのレスポンスの良さと、高速域でのトップスピードの伸びを実現している「R21GT」。他の追従を許さないそのパフォーマンスは圧巻だ。
低速と高速の両方のコーナーが混在するアメリカのサーキットで勝利を挙げるために開発された「R21GT」を搭載したマシンの華麗な走りっぷり。思わず魅了されてしまうその走りに期待が集まる。
「R21GT」こだわりのポイント
「R21GT」では、世界で戦えるエンジンを実現するため、各部にこだわりのポイントを持っています。まずはシリンダー/ピストン。IFMARのレギュレーションに合わせた掃気5ポート+エキゾースト3ポートを採用。また、クランクシャフトは新設計のものを採用しており、DLCコーティングとカウンターウエイトを圧入したもので、ピックアップ重視の新型を搭載しています。
さらに、キャブレターにはエンジン特性でもあるコーナーからの立ち上がりをスムーズにするピックアップ性能を重視した、ダブルアジャストタイプの新型「22E(B)GTキャブ」を採用。これには7mmのレデューサーを標準装備しています。そして、GTツーリングで重要になってくるエンジンのクーリング性能に関しては、新型のスタイリッシュなアウターヘッドを採用したことで、しっかりとエンジン内部を冷やし、常に最高のパフォーマンスを発揮できるような設計となっています。
このように、あらゆる部分に手を入れ、前作から大きく生まれ変わった「R21GT」は、まさに世界の舞台で戦えるエンジンとして、大きな期待を持たれています。