ヒート電流調整式のプラグブースタをご使用時、電流の流し過ぎによるコイルの溶断が報告されております。
G5プラグの適正電流値は2.5Aです、2.5A以上の電流を流しますとコイルの溶断の可能性が出てきますのでご注意ください。
G5プラグはコイルの抵抗が多く2.5Aの電流では従来のプラグ(№8など)ほど赤熱しません。(写真1.&写真2.参照)しかし、ガソリンはアルコールに比べ低い温度でも点火しますので、問題なく始動ができます。
従来のプラグと同程度の赤熱状態にしてしまいますと、結果的に電流が流れ過ぎコイルを溶断させることがありますのでご注意ください。
写真1.(№8プラグ)
写真2.(G5プラグ)
電流の流し過ぎ以外にも、G5プラグに限らず模型用グロープラグでは、ニードル調整時に、通電したまま全開運転を続けると、コイルを溶断させることがありますので、ご注意ください。また、ニードルバルブの絞り過ぎによるオーバーヒートでも、コイルを溶断させることがありますので、ご注意ください。
61HB、61H、61HA、70Tキャブレターの燃料通路にゴミが詰まりエンジンが不調になる事例が報告されております。
ガソリンエンジン用キャブレターは、アルコール燃料用キャブレターに比べ燃費が良い分流量が少なく、その分通路が狭く、ゴミが詰まりやすい構造になっております。
燃料タンクからエンジンの間(Tニップルを使用する場合はTニップルとエンジンの間)には、ガソリン用の燃料フィルター(メッシュ#200以上)を必ず装着してください。(GGT10は標準装備)弊社製品→ガソリン用燃料フィルター(詳細ページへ)
また、燃料缶から燃料タンクに給油する際には、燃料缶側の先には弊社から販売しておりますスーパーフィルターL(72403050)をご使用になり、燃料タンクへのゴミの混入を防いでください。
キャブレターにゴミが詰まると、今まで調子良かったものが、息付をしたり、エンストしやすくなったり、オーバーヒートしやすくなったりします。
キャブレターのゴミ詰まりが起こった場合には、分解清掃が必要ですが、キャブレター内には細かいパーツがあり、紛失や誤組立ての恐れがありますし、清掃作業で使用する、エアダスターやパーツクリーナーは、有毒で可燃性のガスや液体を使用しており、中毒や火災の恐れがあります。また、分解組立時の工具やパーツで怪我をする恐れがありますので、ご自分での作業はお勧めできません。弊社サービス係での点検整備をお勧めいたします。
ご自分で分解清掃をされる場合は、全てを自己責任の元で行ってください。
(1)タイゴン製燃料チューブを外します。
(2)M3×15のキャップスクリューを2本外します。
(1)ローターガイドスクリューを外します。
(2)キャブレターローターを抜きます。
ニードルホルダー(ニードルバルブ付)を外します。
(8㎜のスパナで外しますが、強く締まっていますので、滑ってナット部をなめさせたり、怪我をしたりしないよう、注意してください)
ユニバーサルニップルを取り外します。
(ユニバーサルニップルの各パーツの間には黒色のワッシャが入っています。紛失しないよう、注意してください)
(1)M2.6×7の丸平+ねじを2本外します。
(2)レギュレータープレート②を外します。
(3)レギュレータースプリングを外します。
(レギュレータースプリングは変形しやすいので、ピンセットなどを使用してください)
(4)レギュレータープレート①を外します。
これで分解作業は終了ですが、細かいパーツが沢山ありますので、パーツの紛失には気を付けてください。(レギュレータープレート①にはゴムのパーツ[レギュレーターラバー]が組み込まれていますが分解しないでください。レギュレーターラバーがレギュレータープレート①の座から僅かでもずれると、正常に運転できなくなります)
また、各部品は微細な加工がされており、僅かな当て傷で機能しなくなることもありますので取扱いには十分気を付けてください。特にレギュレータースプリングは素手で粗雑に扱うと変形することもありますのでピンセットなどをご使用ください。
清掃には市販のエアダスターもしくはパーツクリーナーを使用します。(エアダスターやパーツクリーナーは有毒で可燃性のガスや液体を使用しており中毒や火災の恐れがあります、取扱いには十分注意してください)
ゴミは写真の赤丸部分に溜まりやすいので、この部分を重点的に行います。
赤丸部分以外でも通路などにゴミがたまる場合がありますので、全体を徹底的に清掃してください。
一見ゴミが確認出来なくても、清掃によりトラブルが解消することもありますので丁寧に清掃を行ってください。
(1)レギュレータープレート②へレギュレータースプリングをセットします。
(2)レギュレータープレート①の座にレギュレーターラバーが収まっているかを確認してください。
写真の様な状態は全てNGです。
(3)レギュレータースプリングをセットしたレギュレータープレート②とレギュレータープレート①を合わせます。
(4)レギュレータープレート②とレギュレータープレート①をキャブレター本体の、レギュレーター部分に合わせます。(レギュレータープレート②とレギュレータープレート①には回転方向の方向性はありません)
(5)M2.6×7の丸平+ねじ2本を締め付けます。
(締付けトルクは0.4Nm=この大きさのプラスねじを普通に締める程度です)
ニードルホルダー(ニードルバルブ付)を取り付けます。
(締付けトルクは1.8Nm=8㎜のスパナで普通か少し弱めに締める程度です。キャブレター本体を手で保持しても力が入れられない場合は、キャブレター本体をエンジンに取り付け [逆向きに]れば、力をいれられるでしょう。滑ってナット部をなめさせたり、怪我をしたりしないよう、注意してください。)
(1)ユニバーサルニップルを組立てます。各パーツの間には黒色のワッシャが入ります。(写真を参考にしてください)
(2)ユニバーサルニップルのねじを締め付けます。
(締付けトルクは0.7Nm=この大きさのマイナスねじを少し緩めに締める程度です)
ニップルの角度はエンジンに取付けた時に水平になるようにしてください。
(1)キャブローターをキャブレター本体にさし入れます。
キャブローターの斜めの溝をローターガイドスクリューの穴に合わせてください。
(2)ローターガイドスクリューを締め付けます。
(締付けトルクは0.9Nm=この大きさのマイナスねじを強めに締める程度です)
(1)エンジンにキャブレターを2本のM3×15のキャップスクリューを使って取り付けます。
(締付けトルクは1.2Nm=この大きさのキャップスクリューを普通に締める程度です)
エンジンとキャブレターの間には樹脂製のサーモインシュレーターがありますので忘れずに取付けてください。
(2)タイゴン製燃料チューブを取付けます。
以上が61Hキャブレターの分解清掃の手順です。
70Tキャブレターの分解手順も基本は同じですので、61Hキャブレターの分解清掃の手順を参考にして行ってください。