ヘリ用ガソリンエンジンGT15HZのニードル調整の手順
ガソリンエンジンのニードルはグローエンジンより調整幅が狭く敏感に反応します。
以下の手順書を参考に調整を行って下さい。
1)GT15HZのニードルはLow 及びHi の2系統!!
機体に搭載した状態で向かって左側にあるのがLow ニードル、右側にあるのがHi ニードルです。
2) ニードルの基準開度!!
Low ニードル:全閉から 1 回転 + 1/4回転
Hiニードル:全閉から 1 回転 + 3/4回転
3) エンジンを始動させましょう!!
説明書の手順に従ってエンジンを始動します、チョーク機構を使って燃料を送り込むと始動が容易(送り込み過ぎはオーバーチョークになるので注意!)です。ガソリンエンジンは気温が低い冬の時期は始動直後の暖気運転が必要です、地上でメインローターがゆっくり回転する程度の回転数で必ず1~2分程度暖機運転を行って下さい。
4) 暖気運転後、いよいよ離陸させましょう!!
エンジン回転が上昇し離陸体制に入ります、あなたのエンジンはどんな状態? 以下は調整の具体例です、症状によってニードル調整を行って下さい。
事例1)*Lowニードルが濃い状態*
- 症状
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離陸しようとスロットルを開けても白い排気ガスが多量に出てエンジン回転が上昇しない。
- 対策
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Lowニードルを右に 1分(時計の針をイメージ!) 回し再離陸させます。このとき一回に調整するニードル角度は必ず 1分に留めて下さい。
*現時点ではHi ニードルはさわってはいけません!!*まずはLow ニードルを決めるのが調整のコツです!
対策→離陸が行えるようになるまでLowニードルを 1分ずつ絞ります。*離陸が出来る様になればOKです、それ以上Lowニードルを絞る必要はありません。
次に、まだ離陸出来ない場合。Lowニードルの絞り過ぎはエンジンが過回転となります、注意して下さい。
事例1)*Lowニードルが薄い状態*
- 症状
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エンジン回転が非常に高い状態(ローター回転1500rpm以上) で離陸したり、離陸中にエンジンが息継ぎを起こしたりします。
- 対策
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Lowニードルを左に 5分(時計の針をイメージ!) 回し再離陸させます。
対策→Low ニードルを更に左に 3〜5分回し再離陸させます。調整を繰り返しながらエンジンが過回転を起こさない状態にします。
エンジン回転が依然として高い場合。*説明書に例がありますようにスロットルカーブを低く下げてセットすることでエンジンの過回転を防ぐことが可能です、ぜひ試してみて下さい。
5) ブレークインを始めましょう!ガソリンエンジンは必ず必要。
ホバリング時のローター回転数が1400rpm~1500rpm付近で落ち着いたらブレークインの開始です。根気良く約2リッターの燃料を消費して下さい。 *ガソリンエンジンはブレークインを進めると徐々に軽快に回り始めます。
6)ブレークイン完了で上空フライトへGO !!
ホバリング時のアイドルUPスイッチを入れて上空飛行へ移ります、以下は調整の具体例です、症状によってHiニードルの調整を行って下さい。
事例1) *Hiニードルが濃い状態*
- 症状
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アイドルUPを入れてスロットルを全開にすると、エンジン回転が濁った状態に変化しパワーが出ない。
- 対策
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重要):上記の様な症状が出たときはHi ニードルを右に回しますが、Hi ニードルを一回に動かす量は1分以内にしてください。Hi ニードルはLowニードルよりも反応が敏感です。
*Hiニードルを絞る量は最大でも5分が限度です。*
ガソリンエンジンは高温で運転するので、絞り過ぎは焼き付を起こす原因になります。
事例2) *Hiニードルが薄い状態*
- 症状
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アイドルUPを入れてスロットルを全開にすると息継ぎやエンストの症状がでる。
- 対策
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Hi ニードルを左へ 5分~10分回し再度様子をみて下さい。10分左へ回すと開き過ぎの場合もありますが、濃い状態は問題になりませんのでしばらく濃い状態で運転して下さい。
Hiニードルは変化が敏感に出ますので気長に根気良く見極めましょう!
7)ガソリンエンジンのニードル調整は慎重に!
7) ガソリンエンジンは燃費が良い為、運転中に流れるガソリンの量が非常に微量です。この為ニードル調整が敏感になりますが、一度決まると安定するという特性もあります、安易にニードルを回しすぎることなく根気良く調整を行ってください。